宮崎市は九州南東部に位置し、地形は北部から西部にかけて丘陵地が連なり、南部は鰐塚山系、双石山系の山地で占められる。市内の北端には一ツ瀬川が、中央部には大淀川、清武川、加江田川などが東流し、広大な宮崎平野を形成して日向灘に注いでいる。東部の海岸は白砂青松の砂浜が続くが、市南部に位置する青島以南は、山地が海岸まで迫り、複雑な海岸線を呈している。
 JR日豊本線、日南線、国道10号線、219号線、220号線などが通じ、宮崎空港がある。宮崎自動車道の起点で、宮崎インターチェンジがある。
 1873(明治6)年に県庁が設置されてから市街地が発達した。現在の中心市街地は大淀川河口の沖積地にあり、大淀川左岸に近い県庁付近が官公庁、銀行、会社などの集中するビジネス地区で、橘通りは中心商店街、西橘通りと中央通りは娯楽地区となっている。大淀川畔の橘公園ではフェニックスの並木が南国的景観をみせている。
 国の特別天然記念物の亜熱帯性植物群落、及び国の天然記念物の隆起海床と奇形波食痕で知られる青島は有名である。神武天皇ゆかりの宮崎神宮(境内のオオシラフジは国の天然記念物)などは日南海岸国定公園に、西部はわにつか県立自然公園に属する。
 清武の大クスは国の天然記念物。黒木家住宅(主屋、土蔵等)、巨田神社本殿などは国指定重要文化財、生目古墳群、蓮ヶ池横穴群、佐土原城跡、穆佐城跡(むかさじょうあと)、安井息軒旧宅は国の史跡に選ばれている。

観光資源一覧

宮崎神宮の写真

宮崎神宮 (宮崎県 宮崎市 )

JR宮崎駅の北2km、古くから「神武さま」の名で知られた旧官幣大社。スギやマツ、クスノキなどのうっそうとした森の中に、白木の鳥居や神明流造の清楚な社殿が立つ。主祭神を神日本磐余彦天皇(かむやまといわれびこのすめらみこと/神武天皇)、相殿に父・鵜鷀草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)、母・玉依姫命(たまよりひめのみこと)...

青島の隆起海床と奇形波蝕痕(鬼の洗濯板)の写真

青島の隆起海床と奇形波蝕痕(鬼の洗濯板) (宮崎県 宮崎市 )

日向灘に浮かぶ小島で、日南海岸北部の中心的観光地である青島。干潮時、青島の周囲には、「鬼の洗濯板」とよばれる、波状に凹凸した岩が広がる。これは、数百万年前に深海で堆積した宮崎層群とよばれる地層で、傾斜しながら隆起し、その後、浅い海で波の浸食と隆起を繰り返した結果、現在のような形になったとされる。硬い砂岩層が凸の部分...

青島の亜熱帯性植物群落の写真

青島の亜熱帯性植物群落 (宮崎県 宮崎市 )

青島付近は近海に黒潮が流れ、かつ温暖な気候で降雨量も多く、島内には亜熱帯性植物が繁茂する。自生植物は197種。熱帯及び亜熱帯性植物は27種におよぶ。代表的な植物はビロウで、その数4,000本以上。最高樹齢は300年を超えるものもあるとされる。  1952(昭和27)年3月29日に特別天然記念物に指定。

青島神社の写真

青島神社 (宮崎県 宮崎市 )

広さ約4万m2、周囲約1.5kmの青島。その中央部に青島神社の社殿がある。ちなみに島全体は青島神社の神域。祭神は彦火々出見尊(ひこほほでみのみこと)、豊玉姫命(とよたまひめのみこと)、塩土大神(しおつちのおおかみ)。創建年代は不明だが、平安朝の国司巡視記「日向土産」の中に 「嵯峨天皇の御宇奉崇青島大明神」と 記され...

内海のヤッコソウの写真

内海のヤッコソウ (宮崎県 宮崎市 )

ヤッコソウ科の1年草。青島の南約7km、野島神社裏のシイの雑木林が発生地。シイの根に寄生する寄生植物の珍種で、外形が奴人形に似ていることが名の由来。1952(昭和27)年、特別天然記念物指定。花茎の高さ5~7cmほどで、葉は鱗片状で長さ約1.5cmのものが5、6片ほど付く。花期は11月ごろ。

フェニックス・ワシントンヤシ並木(別名ワシントニアパーム)の写真

フェニックス・ワシントンヤシ並木(別名ワシントニアパーム) (宮崎県 宮崎市 )

宮崎市の街路や公園に植えられているフェニックスは、アフリカのカナリー島が原産。幹が太く、羽状の複葉は3~4mに達する。葉柄の基部に長い刺があり、葉は強靭で全体は濃緑色。病害虫に対する耐性が強く、寿命が長いため、「不死鳥」を意味するその名が付けられた。大正初期、宮崎市の天神山公園に植えられたのが最初。宮崎県の県の木である...

県庁楠並木通りの写真

県庁楠並木通り (宮崎県 宮崎市 )

宮崎県庁前にある楠並木通り。その名の通り、楠の巨木が立ち並ぶ通り。樹齢100年を超えるとされる楠の巨木が道を覆うように数十本続いている。毎月第1・3日曜には「いっちゃが宮崎・楠並木朝市」が開催され、多くの人で賑わう。

冷や汁の写真

冷や汁 (宮崎県 宮崎市 / 宮崎県 他 )

起源は鎌倉時代とされ、『鎌倉管領家記録』には「武家にては飯に汁かけ参らせ候、僧侶にては冷や汁をかけ参らせ候」とあるのが初見といわれる。僧侶が全国に流布したとされ、それが廃れたのちに、宮崎をはじめ地域によって残ったものが現在に続くと考えられる。焼いたアジなど近海魚の身をほぐし、炒りゴマや焼き味噌をよくすり合わせ、そこ...

宮崎の地鶏炭火焼の写真

宮崎の地鶏炭火焼 (宮崎県 宮崎市 / 宮崎県 他 )

適度な大きさに切った宮崎の地鶏を、塩やコショウで味付けして炭火で一気に焼き上げる調理法。強火で、炭のすすで真っ黒になるよう仕上げるのが特徴。定かではないが、宮崎では古くからある調理法とか。もともと、非常に美味であった県の在来種「地頭鶏」が繁殖や飼育の難しさから1943(昭和18)年に天然記念物になったことを受け、あらたに...

日南海岸の写真

写真提供:「みやざき観光情報旬ナビ」

日南海岸 (宮崎県 宮崎市 / 宮崎県 日南市 / 宮崎県 他 )

宮崎、鹿児島両県にまたがる日南海岸国定公園。その宮崎県側一帯が一般的に「日南海岸」とよばれる。  太平洋に沿うように、北は青島から、堀切峠、鵜戸神宮、都井岬など数々の観光スポットがある。温暖な気候のため、海岸一帯や海岸沿いを走る国道220号には、ビロウやアコウ、ソテツ、ワシントニアパームといった亜熱帯性植物が茂り、青い...