青島神社あおしまじんじゃ

広さ約4万m2、周囲約1.5kmの青島。その中央部に青島神社の社殿がある。ちなみに島全体は青島神社の神域。祭神は彦火々出見尊(ひこほほでみのみこと)、豊玉姫命(とよたまひめのみこと)、塩土大神(しおつちのおおかみ)。創建年代は不明だが、平安朝の国司巡視記「日向土産」の中に 「嵯峨天皇の御宇奉崇青島大明神」と 記されており、1200年代以前から奉祀されていたとされる。 もともとは島全体が神域であり、江戸期までは一般の入島が禁じられていた。社殿は鮮やかな朱色の壮麗なもの。
 旧6月17・18日に行われる夏祭は、通称「海を渡る祭礼」ともよばれ、漁船に神輿を乗せて青島海水浴場に上陸するもの。旧12月17日の「裸参り」ともよばれる冬祭も有名だ。
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みどころ

御祭神である彦火々出見尊は、九州に広く伝わる山幸海幸神話*の山幸彦であり、神話にゆかりの深い社であり神秘性を感じる。島全体が神域であり、鬱蒼とした南方の植物に覆われ、異国情緒が漂うのもいい。
 社殿奥には「祈りの古道」とよばれる小道があり、ここからさらに奥へ進むと、「真砂の貝文」がある。これは神社前の海で貝を探し、岩に供えるという願掛け。青島が、隆起海床に貝殻が堆積してできた島であることから、かつて「真砂島」ともよばれ、 万葉人は自分の心情に合った貝を探し、想いと願いを込めたという故事に因んだもので、海と関わりの深い参拝の方法があるのも興味深い。
 また、祭礼も迫力満点で、夏祭、冬祭とも豪壮な海の祭で一度は見ておきたい。
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補足情報

*山幸海幸神話:山幸彦は、兄である海幸彦の釣り針を海でなくしてしまい、海底のワタツミノミヤへと探しに出る。そこで美しい豊玉姫(とよたまひめ)と出会い、夢のような約3年を過ごす。山幸彦は釣り針のことを思い出し、豊玉姫の力を借りて探し出し、山幸彦はそれを持って帰国し、釣り針を兄に返すが、その後、兄と対立してしまう。しかし、豊玉姫の父・海神から、潮の干満を支配することができた潮満瓊(しおみつたま)・潮涸瓊(しおひるたま)の力を得たことにより、兄は山幸彦に仕えるようになった。
関連リンク 青島神社(WEBサイト)
参考文献 青島神社(WEBサイト)
宮崎市(WEBサイト)

2020年09月現在

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