フェニックス・ワシントンヤシ並木(別名ワシントニアパーム)ふぇにっくす・わしんとんやしなみき わしんとにあぱーむ

宮崎市の街路や公園に植えられているフェニックスは、アフリカのカナリー島が原産。幹が太く、羽状の複葉は3~4mに達する。葉柄の基部に長い刺があり、葉は強靭で全体は濃緑色。病害虫に対する耐性が強く、寿命が長いため、「不死鳥」を意味するその名が付けられた。大正初期、宮崎市の天神山公園に植えられたのが最初。宮崎県の県の木である。
 ヤシ並木は市中心部や宮崎空港周辺道路の中央分離帯に立ち並び、樹種はワシントンヤシ。1960(昭和35)年代、フェニックスとともに「宮崎観光の父」と称される宮崎交通創業者・岩切章太郎*が観光を目的として南国イメージづくりのために植樹を始めたとされる。
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みどころ

フェニックスは、市内を流れる大淀川の堤防沿いにある橘公園と、市の南部にある堀切峠がおすすめ。いずれも川、海を背景に、また付近に遮るものもなく美しい。県庁前に立つ2本のフェニックスもレトロな県庁建築と一緒に写真を撮ると映える。
 ヤシ並木は市内の国道沿いで見られるが、屈指の繁華街である橘通り付近には20mを超える木が並び、ビルと競うように立つさまが面白い。
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補足情報

*岩切章太郎:1893(明治26)年5月8日生まれ。宮崎交通グループの創業者であり、宮崎を観光地として飛躍成長させた立役者。こどもの国の開園、えびの高原の観光開発、橘公園の造園など、県内の観光開発を行った。 1985(昭和60)年7月16日没。