弘前市は、青森県南西部、津軽平野南部の中心をなす。つがる市、平川市、大鰐町、藤崎町、田舎館村、板柳町、鶴田町、鰺ヶ沢町、西目屋村、秋田県大館市と接する。
 西部や南部は山地や丘陵地、東部と北部は平地が開ける。市街地は弘前城を中心として台地上に拡大し、一部は沖積平野にも広がる。東に奥羽山脈の八甲田連峰を望み、西に「津軽富士」と呼ばれる岩木山を有し、 南には秋田県にまたがり世界遺産に登録されている白神山地が連なる。白神山地を源とする一級河川岩木川には平川、浅瀬石川が合流し、流域の肥沃で広大な津軽平野を形成。平野周辺部の小高い丘陵地帯にはりんごを生産する樹園地が広がる。
 JR奥羽本線、弘南鉄道弘南線・大鰐線が通る。また、国道7号、102号、339号のほか、東北自動車道が通じ大鰐弘前インターチェンジがある。
 弘前藩の城下町として、明治維新までの約260年間にわたり津軽地方の政治・経済・文化の中心として繁栄。1871(明治4)年、弘前県となったが、県庁が青森に移され一時衰退した。1894(明治27)年、青森―弘前間に奥羽線が開通。1897(明治30)年に第八師団が設置されて以後軍隊の街、津軽平野南部の中心として発展した。第二次世界大戦後、軍用地は学校用地や住宅地に転用。弘前城と文化遺産、恵まれた自然環境を土台に文化都市として発展。
 津軽平野南部の農村地帯の中心。基幹農産物はりんごで、全国一のりんご生産圏として知られる。食品、建設材製造などの他、津軽塗、津軽焼、こぎん刺しなどの伝統産業がみられる。
 国史跡の弘前城は市のシンボルで、天守など国の重要文化財に指定されている建造物も多い。約4800アールの城跡は弘前公園として開放され、桜の名所としても知られる。弘前城の北の馬喰町、小人町、若党町には武家屋敷が残り、仲町重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。8月1~7日に行われる東北三大祭りの一つ「弘前のねぷた」(国の重要無形民俗文化財)は、夜の街を扇形の大灯籠が練り歩く勇壮なもの。

観光資源一覧

岩木山の写真

岩木山 (青森県 弘前市 / 青森県 鰺ヶ沢町 )

津軽平野の南西方にあり鳥海火山帯に属する二重式火山。津軽富士と呼ばれる円錐形の独立峰、標高1,625mの青森県最高峰である。山頂部は中央に岩木山、北に巌鬼山、南に鳥海山の3峰に分かれている。  岩木山は火山でありその活動の大部分は第四紀洪積世*に行われたと言われているが、最後の爆発は1863(文久3)年であり新しい火山といえる。...

弘前城の写真

写真提供:弘前市

弘前城 (青森県 弘前市 )

弘前城は弘前市の中心部にあり、本丸・北の郭・二の丸・三の丸・四の丸・西の郭の6つの郭*で構成された平山城である。規模は 東西約500m、南北約1,000m、総面積約50万㎡に及ぶ。濠は三方・三重に巡らされ、西側は蓮池と元は岩木川の流路であった西濠に守られている。  弘前藩代々の居城で、1611(慶長16)年に2代藩主津軽信枚(のぶひら...

弘前城のサクラの写真

写真提供:弘前市

弘前城のサクラ (青森県 弘前市 )

弘前城は、弘前藩2代藩主・津軽信枚(のぶひら)が1611(慶長16)年に築城したもの。400年を経た今も当時の城の形が残っており、天守、3つの櫓、5つの城門は国の重要文化財に指定されている。日本屈指のサクラの名所としても有名であり、開花時期にはテレビなどでよく取り上げられている。4月下旬には、ソメイヨシノやヤエザクラなど約2,600...

岩木山神社の写真

岩木山神社 (青森県 弘前市 )

岩木山の東南麓、標高200mの百沢(ひゃくざわ)地区にある。県道3号線に面しており、そこからの参道は正面に岩木山を望んでまっすぐに延び、やがて楼門*、その奥に中門があり、さらに拝殿*・本殿*が立つ。  神社の創建については様々な言い伝えがあるが、奈良時代780年*に岩木山頂に祠を祭ったのが始まりといわれ、平安時代1091年に今...

金剛山 最勝院の写真

写真提供:金剛山最勝院

金剛山 最勝院 (青森県 弘前市 )

弘前城の南東約1㎞の台地の上に位置し、五重塔の美しさで有名なお寺。江戸時代の建立で現存する五重塔は全国で22塔あるが、最勝院五重塔は最北の五重塔。国指定重要文化財指定説明に特筆される「東北地方第一の美塔」にたがわず、その姿は美しい。高台にあるため、街中からでもひときわ目立つ存在感があり、弘前市のシンボルとして親しまれて...

長勝寺と禅林街の写真

長勝寺と禅林街 (青森県 弘前市 )

長勝寺とその門前に続く禅宗の寺院街(禅林街)は弘前城の西南約1kmにある。  長勝寺は堂々とした構えの三門*をくぐると右手に鐘楼、そして本堂・庫裏*が配されている。本堂の奥に続いて2代藩主津軽信枚(のぶひら)が建立したという御影堂があり、極彩色の厨子に収められた初代藩主津軽為信の木像が安置されている。また、津軽 承祜 (...

弘前のりんご畑の写真

弘前のりんご畑 (青森県 弘前市 )

弘前市はリンゴの生産が盛んで年間18.2万トンと日本一、全国73.7万トン(2022(令和4)年)の約1/4を占めている。春夏秋冬の区分がはっきりし、昼夜の温度差が非常に大きい気象がりんごの栽培に適し、津軽地方の「じょっぱり」と呼ばれる真面目で負けず嫌いの頑固な気質がりんご生産に生かされていると言われている。  1877(明治10)年に...

弘前の洋館群の写真

弘前の洋館群 (青森県 弘前市 )

弘前市は藩政期の歴史的建造物、明治・大正期の洋風建築など多くの地域資源が、各時代の趣を伝えながら調和することで歴史的な街並みを形成しており、戦災や大きな災害に遭うことがなかったため、江戸時代からの街並や古い建物が残っている。特に旧弘前市立図書館や旧第五十九銀行本店本館など明治・大正時代に建築された洋風建築が数多く残...

お山参詣の写真

写真提供:青森県及び公益社団法人青森県観光国際交流機構

お山参詣 (青森県 弘前市 )

稲が実る旧暦8月1日、五穀豊穣の感謝と祈願をこめ、岩木山の山頂にある岩木山神社奥宮に集団で登山する行事。岩木山は津軽平野の南西方にあり鳥海火山帯に属する二重式火山。津軽富士と呼ばれる円錐形の独立峰、標高1,625mの青森県最高峰である。津軽平野の各地から美しい姿を望むことができるため、津軽地方の人々にとってかけがえのないシ...