八戸市
印刷する八戸市は、青森県南東部、太平洋岸にある。なだらかな台地に囲まれた平野が太平洋に向かって広がり、その平野を三分する形で岩手県に源を発する馬淵川、新井田川の2本の川が流れている。北はおいらせ町と五戸町、西は南部町、南は階上町及び岩手県軽米町に接している。
JR東北新幹線、八戸線、IGR いわて銀河鉄道線と県境で接続している旧東北本線青森~目時間を運行する青い森鉄道線が通る。国道は45号、104号、340号、454号と八戸自動車道が通じ、八戸ジャンクションで八戸久慈道路が分岐。南郷・八戸・八戸北の 3箇所のインターチェンジで一般道と連結している。また八戸港からは苫小牧港へのフェリーがある。
旧八戸地区の商業地区、湊・小中野地区の工業地区、鮫地区の漁業港湾地区からなり、1935(昭和10)年に八戸港が重要港湾に指定されたことで日東化学(現、MCCユニテック)等の工場が立地、第二次世界大戦後は鉄鋼、化学、食品、窯業などの工場の建設が相次ぎ、1964年には新産業都市に指定された。
三陸沖や北洋漁場を控え、大規模な魚市場や冷凍工場をもち、水揚高は全国有数。臨海部には大規模な工業港、漁港、商業港が整備され、その背後には工業地帯が形成されている。
是川石器時代遺跡、長七谷地貝塚(ともに国史跡)等の遺跡がある。櫛引八幡宮には2点の国宝の鎧など文化財が多い。是川縄文館は合掌土偶(国宝)や是川遺跡出土品などを展示。蕪島のウミネコ繁殖地(国の天然記念物)、蕪島南方の種差海岸(国の名勝)等があり、2013(平成25)年には蕪島を含む種差海岸一帯が三陸復興国立公園に指定された。田植踊りの一種「八戸のえんぶり」、7月31日から5日間催される八戸三社大祭の山車行事は国指定重要無形民俗文化財で、2016(平成28)年にユネスコの無形文化遺産に登録された。2005(平成17)年に合併した南郷地域は「ジャズとそばのまち」として全国的に知られ、ブルーベリーなどの地場産品を生かした特産物開発なども行なわれている。
観光資源一覧
種差海岸 (青森県 八戸市 )
八戸市の東部、太平洋に面している。蕪島から東の鮫角(さめかど)を南に回って南北約12kmの連続した白い砂浜と岩礁の海岸である。探勝の中心はJR八戸線陸奥白浜駅と種差海岸駅の間、約2kmの海岸が遊歩道で結ばれているエリア。ここの海岸はおだやかな海面を前にして低い段丘が緑の芝におおわれて連続し、一帯は独特の気候に育まれた海浜植物...
蕪島のウミネコ (青森県 八戸市 )
蕪島は八戸市の東、種差海岸の西側に隣接している。もとは離島であり吊り橋がかかっていたが、1943(昭和18)年に埋め立てられ、今は周囲約800m、高さ約17mの陸繋島*である。ウミネコ*の繁殖地として有名。毎年2月頃に3万羽から4万羽と言われるウミネコが飛来して巣を営み、4~5月に産卵、7月末に成長したヒナとともに北へ飛び去る。島に...
櫛引八幡宮 (青森県 八戸市 )
八戸市の南西、国道104号沿いにある。古くから南部家*の総鎮守の社、祈願所であった。1664(寛文4)年に八戸藩が盛岡藩から分立した後、盛岡藩の飛び地として残されたのも南部家にとってそれほど重要であったといえる。本殿は1648(慶安元)年南部重直の造営といわれ、三間社流造(さんげんしゃながれづくり)*で屋根は切妻であり、屋根の...
八戸えんぶり (青森県 八戸市 )
2月17日の早朝、八戸市と周辺の町村から集まった合計30組を越える「えんぶり組」が長者山新羅神社*に奉納した後、神社の行列にお供をし、美しい烏帽子を冠った太夫*がはやしと歌に合わせ市街で一斉に舞う[一斉摺り(いっせいずり)]。郷土色豊かな田楽として重要無形民俗文化財に指定されている。 東北地方各地には初春の祝いに、田植...
八戸三社大祭 (青森県 八戸市 )
毎年7月31日から8月4日に青森県八戸市で行われる神社神道の祭礼でユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」に登録されている。八戸市内の龗(おがみ)神社*、長者山新羅(ちょうじゃさんしんら)神社*、神明宮(しんめいぐう)*の三社合同例祭である。 7月31日は前夜祭、8月4日は後夜祭で中3日が本祭である。1日目は「お通り(おとおり...
八食センター (青森県 八戸市 )
八食センター(はっしょくセンター)は、 八戸市中心部から北西部の郊外にある食品市場である。 当時の 日本国有鉄道、 陸奥湊駅前で 鮮魚 などの小売を行っていた業者が集まり、現在の場所でオープン。 魚介類、乾物をはじめ青果、精肉、野菜、お菓子、地酒など、全長170mに約60店の専門店が軒を連ねる八戸市民の台所。館内には「厨スタ...
いちご煮 (青森県 八戸市 / 青森県 階上町 / 岩手県 洋野町 / 岩手県 久慈市 )
いちご煮はウニやアワビの漁場である八戸沿岸で、漁師たちの豪快な浜料理として生まれたものでウニとアワビの吸い物である。 大正時代には料亭料理として供され、 お椀にきれいに盛り付けてお吸い物として出されるようになり、 現在では、ハレの席には欠かせない地域を代表する郷土料理になっている。その名の由来は、お椀に盛り付けたとき、...
根城 (青森県 八戸市 )
八戸市の中心部の西、国道104号沿いの城跡に堀・土塁などが残っている。南部師行(なんぶもろゆき)*が1334(建武元)年に築いた平城。南部氏が遠野へ国替えになる1627(寛永4)年までの約300年間、南部氏の居城となり北東北地方の中心であった。1941(昭和16)年に国史跡に指定され。その後1978(昭和53)年から発掘調査及び整備事業が進め...
館鼻岸壁朝市 (青森県 八戸市 )
JR八戸線陸奥湊駅から徒歩10分にある八戸港の館鼻岸壁に日曜の朝*だけに出現する朝市。普段は何もない岸壁に、全長800mにわたり300以上の店が立ち並び人で賑わう。イカやサバなど八戸自慢の鮮魚や干物の海産物、採りたての野菜や果物、手づくりの惣菜から雑貨まで、ありとあらゆるものが並ぶ巨大な朝市である。 2004(平成16)年から始まっ...