館鼻岸壁朝市たてはながんぺきあさいち

JR八戸線陸奥湊駅から徒歩10分の八戸港の館鼻岸壁で、日曜の朝*だけ開かれる朝市。普段は何もない岸壁に、全長800mにわたり300以上の店が立ち並び、人で賑わう。イカやサバなど八戸自慢の鮮魚や干物といった海産物、採れたての野菜や果物、手づくりの惣菜から雑貨まで、ありとあらゆるものが並ぶ巨大な朝市である。
 2004(平成16)年から始まったこの朝市は2011(平成23)年の東日本大震災による津波で岸壁が被災しながらも復活し、さらに賑わいが増し続けているという。「協同組合 湊日曜朝市会」(2010年設立)が運営、管理している。
 朝市の日は、薄暗い夜明け頃から少しずつ店が立ちはじめ、日が昇る頃にはすっかり店が出揃い、たくさんの人々で賑わう。駐車場も早朝5時頃にはほぼ満車状態になってしまうため、公共交通機関でのアクセスがおすすめである。
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みどころ

毎週数万人もの人で賑わい、青森県内・東北はもちろんのこと、国内でも最大級の屋外朝市といっても過言ではないだろう。特に連休やお盆には観光客や帰省客などが通路にあふれ、歩くのが困難なほど。地元では「カオス」*の世界と称して宣伝しているほどである。
 販売されているものも非常にカオス。八戸の鮮魚や干物などの魚介類はもちろん、野菜、果物、花、多彩な惣菜、朝市内にいくつもあるコーヒーショップのスイーツやパン、さらに刃物や骨董品、ミシンなどなど…とにかくバラエティ豊か。以前は車まで売られていたという。
 店の屋台の裏で朝市ライブを開催する店舗もあり、訪れる人々も、朝食を買い求めたり、知人と談笑したりと、思い思いにこの巨大朝市を楽しんでいる。多くの人々が楽しむ姿を目にすることで一種の感動を覚え、こうした光景も観光の醍醐味ともいえる。館鼻岸壁朝市まっぷ*片手に歩き回りたい。
 謎のキャラクター「イカドンファミリー」も館鼻岸壁朝市を闊歩する。家族構成は「イカドンパパ」「イカドンママ」「イカドン長女」の3名で、2021(令和3)年11月についに“公認”となったとのこと。
 朝市の駐車場側は漁港のため、多くの船が出入りする港の風景も楽しめる。
 なお、この朝市のほか、陸奥湊駅前では月曜から土曜まで「陸奥駅前朝市」が開かれる。駅前通りには店舗が並び、イサバのカッチャ(魚売りのお母さん)による方言が飛び交い、ハマの素朴な雰囲気が味わえる。営業は3時から12時までで、「八戸市営魚菜小売市場」で海産物などの名物朝飯も楽しめる。
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補足情報

*日曜の朝:3月中旬から2月にかけての毎日曜日、日の出~9時頃まで開催。
*カオス:ギリシャ神話における万物発生以前の秩序なき状態。英語の「chaos:混沌、無秩序」であり、収拾のつかないめちゃくちゃな状態を意味することが多い。
*館鼻岸壁朝市まっぷ:館鼻岸壁朝市まっぷ(A2サイズ8折)は朝市会場内で販売している。
(http://minatonichiyouasaichikai.com/maps/)