八戸えんぶりはちのへえんぶり

2月17日の早朝、八戸市と周辺の町村から集まった合計30組を越える「えんぶり組」が長者山新羅神社*に奉納した後、神社の行列にお供をし、美しい烏帽子を冠った太夫*がはやしと歌に合わせ市街で一斉に舞う[一斉摺り(いっせいずり)]。郷土色豊かな田楽として重要無形民俗文化財に指定されている。
 東北地方各地には初春の祝いに、田植など田作りの順風満帆、豊作を前もって演じ見せる田植踊りが広く行われてきたが、「杁(えぶり)*」という田をならす農具を持って踊ることが八戸地方一円に広まったもので、この杁から「えんぶり」と呼ばれるようになったと伝えられている。
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みどころ

八戸地方の予祝芸として芸能的価値が高いものとして重要無形民俗文化財として登録されている。
 太夫と呼ばれる踊り手が馬の頭をかたどった華やかな烏帽子を被って、頭を大きく振って舞う姿(摺り)が独特である。種まきから稲刈りまで稲作の一連の動作を表現したもので、独特な唄に合わせて踊るさまは神秘的とさえもいえる。摺りの合間に行われる子供たちのかわいらしい祝福芸も楽しめる。
 厳かな雰囲気の「奉納」、えんぶリ組が一斉に舞う「一斉摺り」、屋敷の旦那気分で堪能できる「お庭えんぶり」など様々な形式の行事が行われ、市内は盛り上がる。
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補足情報

*長者山新羅神社:本八戸駅南南西約1.5km、長者山と呼ばれる森の頂にある。創建は、1678(延宝6)年に八戸藩2代藩主の南部直政(なおまさ)が、祈願所として社を建てたのが始まり。
*太夫:ある種の芸能人、神職、遊女などの称号または敬称。ここでは神事芸能を奉仕する者を指す。
*杁:農具の一種。長い柄の先に横板を付けた、くわのような形をしたもの。土塊を砕き、また、地面をならすのに用いたり、穀物などをかき寄せたりする。