美しき日本 全国観光資源台帳

郡上市は、県のほぼ中央に位置し、東は下呂市、北は高山市、西は福井県大野市、南は美濃市、関市に接している。奥美濃ともよばれる地域。
　長良川沿いに長良川鉄道、国道156号、東海北陸自動車道が通じるほか、国道158号、256号、472号が通る。
　市域を長良川が縦断し、長良川源流部にあたる大日山麓一帯にはひるがの高原、上野高原があり、明宝水沢上一帯にはめいほう高原が広がる。長良川のほかに和良川、石徹白川など24本の一級河川が流れる。市の最北部に位置する白鳥町石徹白地区と高鷲町ひるがの地区は、太平洋と日本海の分水嶺となっている。
　2004年（平成16）3町4村が合併して市制施行。縄文、弥生時代の遺跡や古墳が残り、交通や軍事の要所として発達していたとみられている。白山信仰の拠点の一つとして、鎌倉・室町時代を中心に隆盛を極め、鎌倉時代には下総国（千葉県）の豪族・千葉氏一族の東氏の支配となり、戦国時代に遠藤盛数が主君東常堯を滅ぼすまで330年余り続いた。中心地区の八幡町は、1559年（永禄2）盛数が八幡城を築城して以後城下町として発展し、約310年間、稲葉氏・井上氏・金森氏・青山氏各藩主の元、この城を中心に郡上藩として統治された。江戸時代には郡上おどりなどの大衆文化が爛熟した。
　農業のほか、林業、工業が盛んである。
　文化財が多く、八幡町地区の郡上踊、白鳥町長滝の白山長滝神社の延年（長滝の延年）は国の重要無形民俗文化財に、明宝寒水の白山神社の例祭に奉納される「掛踊」は国の選択無形民俗文化財に指定されている。白鳥町石徹白は白山の登山口であり、登山口近くの樹齢1800年といわれる大スギ（「石徹白のスギ」）は国指定の特別天然記念物。長良川の支流の和良川、小間見川などには国指定特別天然記念物のオオサンショウウオが生息し、生息地も国の天然記念物に指定されている。大和町牧の東氏館跡庭園は国指定名勝である。そのほか、白山信仰の解説展示をする白山文化博物館、和歌をテーマとした野外博物館「古今伝授の里フィールドミュージアム」、復元された「郡上八幡城」、円空仏などがみられる「美並ふるさと館」、昔の生活が学べる和倉歴史資料館などの文化施設がある。また、市内には多くのスキー場やキャンプ場がある。