竹田市は、大分県の南西部に位置し、くじゅう連山、阿蘇外輪山、祖母山麓に囲まれている。大野川の源流を有し、一日に数万tの湧出量ともいわれる湧水群を誇る水と緑があふれる地域で、自然の恵みを活かした農業や観光が基幹産業となっている。
 戦国時代に志賀氏が岡城に入城後、豊臣秀吉の天下統一のころに中川氏が移封し、竹田村に城下町を造成した。現在でも市内中心部には、武家屋敷通りなどの古い面影を多く残している。
 このほか、観光では、久住高原、竹田湧水群、白水の滝、瀧廉太郎記念館、日本一の炭酸泉と言われる長湯温泉が有名である。

観光資源一覧

祖母山の写真

祖母山 (大分県 豊後大野市 / 大分県 竹田市 / 宮崎県 高千穂町 )

大分・宮崎県境にそびえる標高1,756mの山。祖母傾山系の主峰であり、急峻な山相が特徴。火山活動によって形成された山であるため巨大な岩石が随所に見られる。ブナ・モミ・アカマツなどの原生林におおわれ、特別天然記念物に指定されているニホンカモシカや、イワナ、ムササビなどが生息する。祖母山周辺は銅や錫、マンガン、水晶など、鉱物...

岡城跡の写真

岡城跡 (大分県 竹田市 )

瀧廉太郎*の名曲「荒城の月」*を生んだ岡城跡は、JR豊後竹田駅の東方にある。1185(文治元)年、緒方三郎惟栄(これよし)が、稲葉川と白滝川が合流する天然の高台に築城した。のち1594(文禄3)年、中川秀成(ひでしげ)が入城し、明治まで中川氏13代の居城となった。城郭は中川氏によるもので、本丸、二の丸、三の丸、西の丸などから成る。...

くじゅう連山の写真

写真提供:竹田市役所

くじゅう連山 (大分県 九重町 / 大分県 竹田市 )

玖珠郡九重町と竹田市久住町にまたがる連山で、阿蘇くじゅう*国立公園の中部に位置する。久住山(1,787m)を盟主として、大船山(たいせんざん)、星生山(ほっしょうざん)、三俣山(みまたやま)など1,700m級の山々が11峰、1,000m以上の山々が35峰連なり、“九州の屋根”と呼ばれている。  山群は大別して久住、大船、涌蓋(わいた)の3火...

坊ガツル湿原の写真

写真提供:長者原ビジターセンター

坊ガツル湿原 (大分県 竹田市 )

くじゅう*の山々に囲まれた標高1,200~1,300m付近に位置する湿原。2005(平成17)年、長者原のタデ原湿原とともにラムサール条約*に認定された。希少な植物の宝庫でもある。

長湯温泉の写真

長湯温泉 (大分県 竹田市 )

久住山を背に、芹川のほとりに湧く温泉。竹田市直入町の中心エリアであり、付近には旅館や商店が立ち並ぶ。「風土記」にも記載があるとされる古い歴史をもつが、江戸時代に岡藩主・中川氏に愛され、岡藩普請による御前湯が作られ、温泉地として整っていった。  高濃度の炭酸を含む茶褐色の湯で知られ、慢性消化器病などに効能があるという...

竹田の井路群の写真

竹田の井路群 (大分県 竹田市 )

竹田市周辺には、「井路」と呼ばれる農業水利施設が多く残っている。井路とは水路、灌漑用水路のこと。  「音無井路円形分水」は、竹田から高千穂へ向かう県道8号からさらに細道に入った場所にある。円形分水の名前の通り、水の争いを解決することを目的に造られた、公平に水を分配する仕組み。1934(昭和9)年に完成した。円形の真ん中に...

白水ダムの写真

白水ダム (大分県 竹田市 )

JR豊後竹田駅の南西約11kmの里山にある。水に恵まれない周辺地域の安定水源として、1934(昭和9)年着工、1938(昭和13)年に完成した石造りのダム。正式名称は「白水溜池堰堤水利施設一溝」という。  設計は小野安夫技師によるもので、堰堤下の岩盤が弱いため、水圧を抑える工夫がされている。右岸は「武者返し」と呼ばれる曲面流路、左岸...

久住高原の写真

久住高原 (大分県 竹田市 )

くじゅう連山*の南、東西10km・南北8kmに及ぶ広大な高原。阿蘇くじゅう国立公園に属する。標高600~1,000mで、浅い谷が放射状に刻まれ、ススキ・ネザサなどにおおわれている。春から夏にかけては、緑のじゅうたんを敷き詰めたような草原となり、いっせいに放牧が行われる。  毎年、放牧地で行われる野焼きは、春の訪れを告げる風物詩。山...