祖母山そぼさん

大分・宮崎県境にそびえる標高1,756mの山。祖母傾山系の主峰であり、急峻な山相が特徴。火山活動によって形成された山であるため巨大な岩石が随所に見られる。ブナ・モミ・アカマツなどの原生林におおわれ、特別天然記念物に指定されているニホンカモシカや、イワナ、ムササビなどが生息する。祖母山周辺は銅や錫、マンガン、水晶など、鉱物資源が豊富で、江戸時代から昭和中期まで採掘が行われていた。
 登山ルートは整備されたものから獣道まで多種多様であり、コースもハイキング感覚で楽しめる手軽なものから、断崖を登りながら進む上級者向けまで幅広い。
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みどころ

豊後大野市緒方町尾平や竹田市神原、宮崎県側の高千穂町北谷など多くの登山口があり、さまざまなルートを楽しめる。絶景ポイントも多く、千間平は阿蘇・九重の眺望がすばらしく、7合目と8合目の間にある国観峠周辺も視界が開け、気持ちがいい。頂上付近は360度の大パノラマを楽しめる。
 豊かな自然も魅力で、春は桃色に色付くアケボノツツジ、秋は原生林が紅葉に染まり、美しい。冬季は積雪もあるので、できれば春から秋に登りたい。
 古くは嫗ヶ嶽(うばがたけ)や祖母嶽(おばがたけ)と呼ばれる神体山でもあった信仰の地であり、また山頂には、祖母山の名の由来となったとされる、神武天皇の祖母にあたる豊玉姫を祀る祠もあり、神秘性を感じられる。