上田市
印刷する上田市は、長野県中東部、上田盆地の中心都市で、千曲川中流に位置する。千曲川の右岸部は、烏帽子火山からの泥流地や、千曲川の段丘からなり、市街地も段丘上を占める。左岸は通称塩田平とよばれる平坦地で、千曲川の支流である産川や浦野川の沖積地である。北は長野市、千曲市、須坂市、坂城町、筑北村、西は松本市、青木村、東は嬬恋村(群馬県)、東御市、南は長和町、立科町と接している。
JR北陸新幹線としなの鉄道が従来の信越本線上田駅を共用し、市街地の東北部山麓には上信越自動車道の上田菅平インターチェンジがある。国道18号は市街地を東南―西北方向に通過し、これと直交する形で群馬県長野原町方面から松本市へ通ずる国道143号、144号が東西に走る。また、別所温泉への上田交通別所線の電車や、菅平、鹿教湯、武石など各方面へのバスの発着地。ほかに東部を国道152号、南部を254号、北部を406号が通る。
市街地は、1583(天正11)年、真田郷の豪族真田昌幸が築城し、形成された城下町である。近世はこの城下町と、城下を通る北国街道の宿駅として発展した。明治以後は信州の代表的養蚕、製糸業の町になり、第二次世界大戦後は製糸工場の建物を利用して首都圏からの工場疎開が多く、これを基盤に電機や輸送機械部品工業が発達した。商業は上田盆地一帯を商圏とし、年間販売額も県下屈指の規模。
市街地の郊外には県下での代表的史跡が多い。市街の東方、国道18号に沿って奈良時代の信濃国分寺跡(国指定史跡)、国分尼寺跡があり、近くの八日堂には室町中期に建立された和様・唐様折衷の三重塔(国指定重要文化財)もある。千曲川の左岸塩田平は鎌倉幕府と縁が深い寺や史跡が多いため、「信州の鎌倉」といわれ、安楽寺、常楽寺、北向観音、中禅寺、前山寺、竜光院、生島足島(いくしまたるしま)神社がある。特に安楽寺には国宝で鎌倉時代の建立とされる八角三重塔があり、また中禅寺薬師堂(国指定重要文化財)や前山寺の未完成といわれる三重塔は見学者が多い。このほか、別所温泉や市立博物館、常楽寺美術館、信濃デッサン館、真田氏歴史館などがある。
観光資源一覧
千曲川(小諸周辺) (長野県 小諸市 / 長野県 東御市 / 長野県 上田市 / 長野県 坂城町 / 長野県 千曲市 )
千曲川は山梨・埼玉・長野の三県にまたがる甲武信岳(こぶしだけ)に源を発し、全長214kmにわたる。八ケ岳・蓼科山・浅間山などの山々を縫って流れ、越後に入って日本一の長流 信濃川となる。 千曲川は長野県を象徴する川の一つ。佐久鯉を育むのも、戸倉上山田の温泉街を流れるのも、また川中島の戦いの舞台となったのも、この千曲川である。
美ヶ原高原 (長野県 松本市 / 長野県 上田市 / 長野県 長和町 )
松本市、上田市、長和町にまたがり標高2,000m前後に位置する、広さ5km2の広大な高原台地である。信州のほぼ中央にあって中部山岳のほとんどの山を眺める360度の展望台として知られている。高原の最高峰は標高2,034mの王ケ頭で、東側は平坦な台地状でいくつかのピーク*がある。王ケ頭の真下には三城牧場がある。放牧場としては明...
安楽寺 (長野県 上田市 )
別所温泉の北西の山腹にある。温泉街から登りにはなるが歩いて10分程度のところにあり、静寂な中に建っている。 1288(弘安11・正応元)年執権北条貞時の援助を得て樵谷惟仙(しょうこくいせん)*が開山したという。鎌倉の建長寺などと並んで日本では最も古い臨済宗寺院の一つ。鎌倉時代中期すでに相当の規模をもった禅寺であり、学問・...
戦没画学生慰霊美術館 無言館 (長野県 上田市 )
上田駅の南西部、上田電鉄別所線「塩田町駅」南の標高570mの静かな丘にある。窪島誠一郎*により、信濃デッサン館の分館として1997(平成9)年に開館した美術館。 「戦没画学生慰霊美術館 無言館」という名が示すように、第二次世界大戦中、志半ばで戦場に散った画学生たちの残した絵画や作品、イーゼルなどの愛用品を収蔵、展示している...
信州上田の松茸料理 (長野県 上田市 )
長野県の松茸収穫量*は日本一、中でも上田市は県内でも有数の松茸の産地である。市内の山にはアカマツが多く、かつて燃料として積極的に松葉利用が行われた結果、松茸が生育しやすい環境が広がっていった。収穫時期ともなると直売所では松茸の販売が盛んで、多くの人々が旬の味覚を求めてやってくる。山間には、松茸小屋*がオープンし、松...
四阿山 (長野県 上田市 / 長野県 須坂市 / 群馬県 嬬恋村 )
群馬県嬬恋村と長野県上田市、須坂市の東との境にある臼状火山で四阿火山の主峰、標高2,354m。北面に中央火口丘をともなうカルデラがあり、根子岳も外輪山をなす。南西の広大な裾野に菅平高原が広がる。草地の根子岳に比べて、頂上付近までモミやツガなどの樹林が多く、ツツジの群落も見られる。 四阿山の名は公園や庭園などに眺望、休憩...
烏帽子岳 (長野県 上田市 / 長野県 東御市 )
上田市、東御市の北東側にくっきりと見える、標高2,066mの双頭の山。浅間山から続く連峰の西側の最後部。緩やかな稜線の両端に二つの峰がとがっているので烏帽子*とよばれている。数万年前は湯ノ丸山とともに烏帽子火山群を成していた。そのためか、頂上北側は火口壁の名残でするどく切り立っている。 山頂からは北アルプスのパノラマ、...
前山寺 (長野県 上田市 )
上田市街の南西約8km、独鈷山麓にある。空海が開き、鎌倉時代に讃岐国善通寺からの長秀上人が発展させたと伝えられる。この地を治めていた塩田北条氏*の祈祷所でもあった。 境内には大イチョウを前景に、室町初期の三重塔が立っており国の重要文化財となっている。また、藤をはじめ数々の花の名所としても知られている。