明礬温泉みょうばんおんせん

鉄輪温泉の西に湧く山の湯。別府八湯のうちいちばん高所にある。温泉名が示すように藩政時代は全国一の明礬*の採取地であったが、明治以後、湯の花*の採取地に変わり、温泉旅館が開業された。湯の花の採取は今も盛んで、藁葺小屋の採取所が立ち並び、噴気と硫黄臭が一面に漂っている。温泉は硫黄泉、酸性泉で38~98度。皮ふ病に効く。宿泊施設は約8軒。
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みどころ

地表から勢いよく噴出しする蒸気と、そこに立つ藁葺屋根の景観がすばらしい。江戸時代より約300年続く湯の花小屋で、小屋方式の湯の花の製法も世界で唯一という希少な技術。国の重要無形民俗文化財に指定されており、製造風景も見学できるのでぜひ見てほしい。
 湯は白濁しており、泥湯もある。ほとんどの宿で立ち寄り入浴を行っている。
 また、当地の地獄蒸しプリンは全国的にも有名なグルメであり、訪れた際には必ず食べておきたい。
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補足情報

*明礬:アルミニウムや鉄などを含む化合物で、媒染剤として染色を鮮やかにしたり、止血剤や鎮痛剤などの薬になったり、革のなめしに使われたりしてきた。江戸時代に、この地で渡辺五郎右衛門という人物が独自の製法で作ったのがはじまりという。
*湯の花:鉱泉や温泉の噴き出し口や流路に生じる沈殿物や付着物。硫黄泉の硫黄、石灰泉の石灰華、珪酸泉の珪華など。

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