高野山
高野山は、紀伊山地の南端に位置する山岳地帯であり、標高は約900mに達する。和歌山市から東へ約50km、大阪市から南へ約80kmの山上盆地に広がる高野山には、南北約3km、東西約6kmの範囲に多くの寺院や修行場が点在しており、日本の仏教文化を象徴する場所の一つで、最も重要な聖地の一つとして知られている。行政区としては高野町に位置付けられ、仏教大学などを有する宗教都市である。なお、「高野山」とは真言宗の聖地を総称する呼び名であり、地名ではない。
八葉の峰*1と呼ばれる1,000級の峰々に囲まれた自然環境豊かな高野山は、古くから山岳信仰や神仏習合の信仰が根付いており、多くの神社や寺院が自然と密接に結びついた形で建立されている。高野山の霊峰である金剛山には、古くから山岳信仰が根付いており、多くの修行僧がこの山に登り、山岳信仰の修行を積んできた。山や川に関連する神話や伝説が多く残されていることからも、高野山が仏教の聖地であるだけでなく、自然崇拝の場としても重要な場所であったことが伺える。
仏教における高野山の歴史は古く、弘法大師・空海が816(弘仁7)年、朝廷に高野山の下賜を上表して、嵯峨天皇より真言宗の修行道場を開く許可を賜ったことに始まる。その後、12世紀には如意輪親王が高野山において密教の修行を行い、高野山真言宗が創設された。以降、高野山は真言宗の中心的な存在として、多くの参詣者や修行僧にとって重要な場所となってきた。今日では宗派を越えた霊場として全国からの参詣者が絶えない。
高野山には10地区に120を超える数多くの仏教寺院や神社が集積している。その中でも、高野山金剛峯寺は真言宗の総本山であり、高野山を代表する寺院として知られている。また壇上伽藍には、真言密教の根本道場におけるシンボルとして建立された根本大塔など、高野山の中核をなす堂塔が集まっており、弘法大師・空海の御廟がある奥之院とともに高野山の2大聖地を成している。
子院として金剛峯寺とともに高野山をなし、僧の住坊でもあった塔頭寺院は、南北朝時代から江戸時代にかけて修行僧や信者を泊める宿として機能するようになった。1793(寛政5)年に約1,000の寺院が存在したという高野山には、現在も100を超える寺院があるが、そのうち約50の寺院が宿坊*2として多くの参詣者を迎え入れている。
八葉の峰*1と呼ばれる1,000級の峰々に囲まれた自然環境豊かな高野山は、古くから山岳信仰や神仏習合の信仰が根付いており、多くの神社や寺院が自然と密接に結びついた形で建立されている。高野山の霊峰である金剛山には、古くから山岳信仰が根付いており、多くの修行僧がこの山に登り、山岳信仰の修行を積んできた。山や川に関連する神話や伝説が多く残されていることからも、高野山が仏教の聖地であるだけでなく、自然崇拝の場としても重要な場所であったことが伺える。
仏教における高野山の歴史は古く、弘法大師・空海が816(弘仁7)年、朝廷に高野山の下賜を上表して、嵯峨天皇より真言宗の修行道場を開く許可を賜ったことに始まる。その後、12世紀には如意輪親王が高野山において密教の修行を行い、高野山真言宗が創設された。以降、高野山は真言宗の中心的な存在として、多くの参詣者や修行僧にとって重要な場所となってきた。今日では宗派を越えた霊場として全国からの参詣者が絶えない。
高野山には10地区に120を超える数多くの仏教寺院や神社が集積している。その中でも、高野山金剛峯寺は真言宗の総本山であり、高野山を代表する寺院として知られている。また壇上伽藍には、真言密教の根本道場におけるシンボルとして建立された根本大塔など、高野山の中核をなす堂塔が集まっており、弘法大師・空海の御廟がある奥之院とともに高野山の2大聖地を成している。
子院として金剛峯寺とともに高野山をなし、僧の住坊でもあった塔頭寺院は、南北朝時代から江戸時代にかけて修行僧や信者を泊める宿として機能するようになった。1793(寛政5)年に約1,000の寺院が存在したという高野山には、現在も100を超える寺院があるが、そのうち約50の寺院が宿坊*2として多くの参詣者を迎え入れている。

みどころ
高野山を訪れたら金剛峯寺、壇上伽藍、奥之院は必ず参拝したい。どのエリアも重厚な歴史を背景にみどころが多く、丁寧に巡ると1日はあっという間に経ってしまう。ぜひ宿坊に投宿して高野山の精進料理で身体を清め、朝夕の勤行で心を洗うと良いだろう。宿坊によっては温泉に浸かることができ、快適な宿泊体験を堪能できる。また、高野山ではガイドの案内で夜の奥之院を巡るナイトツアーも催行されている。夜の静けさにつつまれた参道をゆっくりと歩きながら、五感を研ぎ澄ませてみてはいかがだろうか。
そして高野山では寺院や仏教だけでなく、山岳信仰や神仏習合を生んだ豊かな自然にも目を向けたい。春には山桜やツツジ、紫陽花などが咲き誇り、夏には新緑や清流が心地よい涼をもたらす。秋には紅葉が美しい山々に囲まれ、冬には、雪景色が広がる。高野山と龍神温泉を結ぶ、高野龍神スカイラインを走れば「紀州の屋根」とも呼ばれる護摩壇山や幾重にも連なる峰々を目の当たりにして、紀伊山地の奥深さと古来の人々が抱いた自然に対する畏敬の念が感じられることだろう。
そして高野山では寺院や仏教だけでなく、山岳信仰や神仏習合を生んだ豊かな自然にも目を向けたい。春には山桜やツツジ、紫陽花などが咲き誇り、夏には新緑や清流が心地よい涼をもたらす。秋には紅葉が美しい山々に囲まれ、冬には、雪景色が広がる。高野山と龍神温泉を結ぶ、高野龍神スカイラインを走れば「紀州の屋根」とも呼ばれる護摩壇山や幾重にも連なる峰々を目の当たりにして、紀伊山地の奥深さと古来の人々が抱いた自然に対する畏敬の念が感じられることだろう。

補足情報
*1 八葉の峰:高野山の周囲の山々である外輪山を、古来より「外八葉」と呼んでいる。八葉とは蓮華の花びらを象徴した呼び名である。また内輪山を内八葉と呼び、外八葉と合わせて16葉の山々を金剛界曼荼羅の十六大菩薩に相当させ、蓮の花を象徴する曼荼羅の中心に高野山があると説いている。高野春秋編年輯録によれば、この外八葉とは、金剛峯・小塔峯・山王峯・遍照峯・転軸山・楊柳山・摩尼山・姑射山であるとされ、内八葉は、壇上伽藍を取り囲むように剣崎峯・南虎峯・宝珠峯・薬師山・山王峯・神応岳・小塔峯・勝蓮花峯となっている。
*2 宿坊:本来僧侶や参拝客のために用意された寺の宿泊施設であったが、現代では参拝を主な目的としない一般の旅行者も気軽に泊まれるようになっている。ホテルや旅館のように風呂設備や食事サービスが整っている宿坊が多く「修行」のイメージとは大きく異なり快適な滞在ができる。宿坊の魅力はなんといっても生きた伝統や文化を肌で感じられる点にあるだろう。食事に対応している宿坊の多くで仏教の戒律に基づき調理された精進料理を味わうことができるほか、泊まった翌朝には、張り詰めた空気の中で朝の勤行が行われ、宿泊者も自由に参加することができる。写経や坐禅といった修行・文化体験を利用できる宿坊もある。
*2 宿坊:本来僧侶や参拝客のために用意された寺の宿泊施設であったが、現代では参拝を主な目的としない一般の旅行者も気軽に泊まれるようになっている。ホテルや旅館のように風呂設備や食事サービスが整っている宿坊が多く「修行」のイメージとは大きく異なり快適な滞在ができる。宿坊の魅力はなんといっても生きた伝統や文化を肌で感じられる点にあるだろう。食事に対応している宿坊の多くで仏教の戒律に基づき調理された精進料理を味わうことができるほか、泊まった翌朝には、張り詰めた空気の中で朝の勤行が行われ、宿泊者も自由に参加することができる。写経や坐禅といった修行・文化体験を利用できる宿坊もある。
関連リンク | 和歌山県公式観光サイト(公益社団法人 和歌山県観光連盟)(WEBサイト) |
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参考文献 |
和歌山県公式観光サイト(公益社団法人 和歌山県観光連盟)(WEBサイト) 高野山観光協会「悠誘高野山」(WEBサイト) 高野山真言宗 総本山金剛峯寺(WEBサイト) JTBの新日本ガイド17 南紀 伊勢 志摩 「高野山を知る一〇八のキーワード」高野山インサイトガイド制作委員会 |
2025年02月現在
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