高野山の宿坊の精進料理
仏教の「殺生を避ける」考えに基づいて作られる精進料理は、肉や魚などの「生臭(なまぐさ)」を使わない野菜中心の質素な料理のイメージだが、高野山の精進料理のルーツは「振舞料理」であり、塗の御膳にたくさんの品々が並び見た目にも豪華である。平安時代から皇族や大名の参詣をはじめ、全国から参拝に来る檀信徒に対して、ようこそお越しくださいました、という気持ちを込めて料理を出す伝統が脈々と受け継がれている。
高野山では、精進料理の調理の基本となるのが五味・五法・五色とされる。五味は醤油、酢、塩、砂糖、辛みの味覚を指し、五法は生食、煮る、焼く、揚げる、蒸す、の調理法を示す。そして、五色は赤・青・黒・黄・白の五つの色合い、つまり色彩バランスを大事にする心得である。さらに高野山では、「五禁」といって使ってはいけない食材が決められており、ねぎ、らっきょう、にら、にんにく、しょうが等のにおいの強い素材は使用しない。
高野山は山上の限られた土地にあるため田畑に乏しく、精進料理に必要な食材は、かつて高野山周辺の農村の人々が奥之院などにお供えしていた食材を各寺院に分配することで賄っていたという。また、高野山より奥地は護摩壇山を経て熊野三山に通じる広大な山並みに春、秋の旬の山菜が豊富に自生し、これらの山菜もまた高野山の伝統料理を特徴づけている。
高野山では、精進料理の調理の基本となるのが五味・五法・五色とされる。五味は醤油、酢、塩、砂糖、辛みの味覚を指し、五法は生食、煮る、焼く、揚げる、蒸す、の調理法を示す。そして、五色は赤・青・黒・黄・白の五つの色合い、つまり色彩バランスを大事にする心得である。さらに高野山では、「五禁」といって使ってはいけない食材が決められており、ねぎ、らっきょう、にら、にんにく、しょうが等のにおいの強い素材は使用しない。
高野山は山上の限られた土地にあるため田畑に乏しく、精進料理に必要な食材は、かつて高野山周辺の農村の人々が奥之院などにお供えしていた食材を各寺院に分配することで賄っていたという。また、高野山より奥地は護摩壇山を経て熊野三山に通じる広大な山並みに春、秋の旬の山菜が豊富に自生し、これらの山菜もまた高野山の伝統料理を特徴づけている。

みどころ
信徒への振舞料理をルーツとする高野山の精進料理は、現在も数多くの宿坊でいただくことができる。宿坊で精進料理を味わうには宿泊することをおすすめするが、宿泊者でなくとも予約をすれば昼食を取れる宿坊もある。また、宿坊以外にも、精進料理を提供する飲食店が数多くあり、高野山参詣に合わせて気軽に精進料理を楽しむことができる。精進料理の膳に並ぶ品々としては、高野豆腐やごま豆腐、精進揚げ、田楽などが定番である。肉、魚などの生臭を使っていない料理はヘルシーで、やさしい味わいだが、膳の上に並ぶ彩り豊かな品々は目も舌も楽しませてくれる。
関連リンク | 高野町 産業観光課 地域・産業振興係(WEBサイト) |
---|---|
参考文献 |
高野町 産業観光課 地域・産業振興係(WEBサイト) 一般社団法人高野山宿坊協会(WEBサイト) |
2025年02月現在
※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。