七尾市は、石川県中北部に位置する。能登半島の基部に位置し、七尾南湾に臨む七尾港周辺に市街地が展開。東西は山地に挟まれ、南は平野が広がっている。北は穴水町、西は志賀町、南は中能登町と富山県氷見市と接し、市の中心部には七尾西湾、七尾南湾が広がり、北に能登島が浮かび、東は富山湾に面している。
 JR七尾線、のと鉄道が通る他、国道159号、160号、249号が通じ、のと里山海道の徳田大津、横田インターチェンジ、能越自動車道(田鶴浜道路)の七尾、田鶴浜の2インターチェンジがある。能登島とは能登島大橋と中能登農道橋で結ばれる。
 古代から能登の中心で能登国府、国分寺が置かれた。中世、七尾城は能登守護畠山氏の居城で、上杉謙信に落とされた。1582(天正10)年、前田利家が所口小丸山に築城して城下町を形成。所口は北前船による交易で栄え、幕末には加賀藩により七尾軍艦所が置かれた。
 天然の良港である七尾港は北洋材その他輸移入が多く木工業が発達。食料品、合繊織物、機械工業も盛んで、珪藻土を原料に耐火れんがを産出。七尾仏壇や能登産のアテ(アスナロ)を用いた建具が特産。七尾湾沿岸には水田が開け、メロン、カボチャ、中島菜などの野菜栽培が行われ、漁業は定置網漁業、カキ養殖などを行う。
 西湾岸にある、約 1200 年の伝統を誇る「渚のいで湯」として有名な和倉温泉は能登観光の基地。七尾城跡、能登国分寺跡は国指定史跡。江戸中期の農家座主家住宅、藤津比古神社本殿は国の重要文化財。能登島の須曽蝦夷穴古墳は国の史跡。大地主神社青柏祭の曳山行事は国の重要無形民俗文化財に指定され、ユネスコの無形文化遺産に山・鉾・屋台行事として登録されている。また「酒造習俗」は選択無形民俗文化財。

観光資源一覧

青柏祭の写真

写真提供:七尾市産業部交流推進課

青柏祭 (石川県 七尾市 )

5月3~5日に行う大地主(おおとこぬし)神社の例祭。祭りの起源については、981年(天元4)年、能登国国守の源順が能登国の祭と定めたのが始まりとか、室町時代後期に能登国守護の畠山義統の治世において山車が現在のようになったという説、都の祗園山鉾にならって1473(文明5)年国祭りの青柏祭に曳山(山車)を奉納したのがはじまりという...

石崎奉燈祭の写真

写真提供:七尾市産業部交流推進課

石崎奉燈祭 (石川県 七尾市 )

能登国守護畠山氏から能登・越中一円の漁業権を免許されていたという伝承をもち、漁業の盛んな町・石崎町(いしざきまち)にある八幡神社の例祭。もともと祇園祭の流れを汲む納涼祭として行われていたが、何度も火事に見舞われて山車が焼け、明治中頃に、宇出津から奉燈と呼ばれる大きな奉燈が移入され、大漁や五穀豊穣の祈願とともに火を鎮...

のとじま臨海公園水族館の写真

のとじま臨海公園水族館 (石川県 七尾市 )

「のとじま臨海公園」の中核施設として1982(昭和57)年7月3日に開館した石川県唯一の水族館。愛称ならびに通称は「のとじま水族館」で、公式のウェブサイトや施設案内などではこの名称が使用されている。ジンベエザメなど能登半島近海に生息、回遊してくる魚介類を中心に約500種を飼育・展示している。水族館本館のほかに、ジンベエザメ館、...

和倉温泉の写真

和倉温泉 (石川県 七尾市 )

北陸随一の規模を誇る”海の温泉”として、高温で豊富な湯量が魅力の温泉である。七尾湾に突き出た弁天崎の先端にあり、湾前に能登島や机島を望む。温泉の湧出は1200年前と伝え、その後の地殻変動で湧き口が海中に移動していたのを、傷ついた足を癒すシラサギを見つけた漁師夫婦によって湯脈が発見されたという伝説がある。当時は涌浦(わくう...

能登演劇堂の写真

能登演劇堂 (石川県 七尾市 )

「能登演劇堂」は、仲代達矢氏率いる無名塾と七尾市中島町との交流によって生まれた演劇専用ホールで、1995(平成7)年5月12日に開館した。名誉館長に仲代達矢氏が就任。舞台奥の大扉が開くと、能登の雄大な自然が広がっており、舞台と一体となる世界的にも珍しい舞台機構が特徴となっている。年間を通して毎年秋の無名塾公演をはじめ、多彩...

七尾城跡の写真

七尾城跡 (石川県 七尾市 )

七尾市街地南東約4kmにあり、戦国時代に能登国の守護・畠山氏が築いた山城である。標高約300mの本丸を中心に、石動山系の尾根上に築かれた城域は南北約2.5km、東西約0.8km、面積は約200haにおよび、一帯は「城山」と呼ばれている。山が急で谷が深く、難攻不落の名城として知られていた。山上から山麓までの自然地形を巧みに利用し、七尾の地...