能登演劇堂のとえんげきどう

能登演劇堂は、仲代達矢氏率いる無名塾と七尾市中島町との交流によって生まれた演劇専用ホールで、1995(平成7)年5月12日に開館した。名誉館長を務めるのは仲代達矢氏。舞台の奥の大扉が開くと能登の雄大な自然が広がり、舞台と自然が一体となる世界でも珍しい舞台機構を特徴とする。毎年秋の無名塾公演をはじめ、一年を通じて多彩な公演が行われている。無名塾とのつながりは、1983(昭和58)年、家族旅行で旧・中島町(現・七尾市中島町)に立ち寄った仲代氏が、能登の環境を気に入ったことをきっかけとして生まれた。そして、1985(昭和60)年から約10年間にわたって無名塾の能登中島合宿が行われるなかで、町民との交流を通じ、町民の演劇への想い、演劇によるまちづくりの構想が高まり、仲代氏が監修を引き受ける形でホールの建設が実現。能登からの演劇文化の発信をめざし、能登演劇堂と命名された。
 現在も毎年秋に、舞台のホリゾント*の特徴を生かした無名塾の公演が行われている。
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みどころ

「演劇に必要な諸設備を備え、かつ舞台後壁には観音開きとなる大扉が特徴です。ホール内外の空間を利用した演出を可能としています」(七尾市HP)とされているように、仲代達矢氏率いる無名塾の公演は、舞台装置を活用して自然と一体となった演出を行う、ほかでは見られないものである。無名塾の公演以外でも、同様の演出が行われることもあるという。劇場の空き日には施設内の見学もでき、客席、舞台のほか、楽屋など普段見ることのできない部屋も案内してくれる。(要予約)。
 また、年4回の対象公演をお得に楽しむための友の会システムもある(入会金不要・正会員(一般)年会費18,000円・ジュニア会員(高校生以下)年間費10,000円)。
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補足情報

*ホリゾント:舞台やスタジオで使われる背景用の布製の幕または壁、またそれを照らす照明のこと。この演劇堂は、後ろの壁が開くようになっている特別なもので、外景と一体となった演出も可能で、野外舞台も設営できる。