むつ市
印刷するむつ市は、青森県北東部、下北半島の中央に位置する。三方を海に面しており、北は津軽海峡を隔てて北海道を望み、西に平舘海峡、南に陸奥湾を抱える。恐山山系の外輪山を形成する釜臥山を中心とし、東部は平野など比較的なだらかな地形が広がる。北部・西部は山岳地形となっている。恐山山地の大尽山、屏風山が連なり、田名部川流域に耕地が開け、市街地がある。東に東通村、南に横浜町、北・西に大間町、風間浦村、佐井村に接する。
JR大湊線、国道279号、338号が通じる。この他、ジェイアールバス東北株式会社、下北交通株式会社、有限会社むつ車体工業バス事業部川内交通バス及び有限会社脇野沢交通の運行するバス路線がある。
中心の田名部は、近世、盛岡藩の代官所が置かれ、物資の集散も盛んで、下北半島の中心的位置を占めてきた。1871(明治4)年、斗南藩(旧会津藩)の藩庁が置かれ、田名部川河口の大湊には安渡湊、大平湊があり木材の積出し港として栄えた。1905(明治38)年、大湊海軍要港部が置かれ、以後軍港として発展。第二次世界大戦後は海上自衛隊基地となり、1966(昭和41)年、原子力船「むつ」の母港となった。「むつ」はその後の1988年(昭和63)に津軽海峡に面した新母港関根浜に移された。
農林業のほか肉牛の飼育、水産業ではイカ漁、ホタテ養殖などが行われる。
常念寺の木造阿弥陀如来坐像は国指定重要文化財。宇曽利山湖や恐山の外輪山などは下北半島国定公園域。この他、恐山、川内川渓流などの景勝地や、湯野川、薬研などの温泉が点在する。