田名部まつりたなぶまつり

下北半島のむつ市の中心田名部にある田名部神社*の例祭で 8月18日 ~ 20日 に行われる。北前船*によって伝えられた京都祇園祭の流れをくみ、約1640年頃(寛永年間)から続いている。
 田名部神社の本殿は一間社流造、銅板葺き。拝殿は鉄筋コンクリート、神明造、銅板葺き。祭神は昧耜高彦根命(あじしきたかひこねのみこと)、誉田別命(ほんだわけのみこと)で示現太郎大明神(じげんたろうだいみょうじん)とも言われている。
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みどころ

山車の飾りや囃子に祇園を感じることができる。あでやかな祇園ばやしの中を小ぶりだがきれいに飾られた5台の山車が運行され18日はおしまこ流し踊りが祭りに花を添え、20日の23時からは祭のクライマックス「五車別れ」が、多くの人出の中逝く夏を惜しむかのように賑やかに執り行われる。最終日の深夜全ての山車が集まり樽酒を酌み交わし、祭りの終わりを惜しむと共に来年の再会を誓い合う「五車別れ」が執り行われ、クライマックスを迎える。その盛り上がりは、まさに東北の夏祭りの総仕上げにふさわしいものといえよう。
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補足情報

*田名部神社 海辺総鎮守、 北郡総鎮守、 田名部大明神当神社の創立年代は火災のため記録が焼失し不明であるが、1341(康永4年)年の鰐口と年代不詳の古鏡が残されている。 当神社の祭典は江戸末期まで田名部五千石の格式で執行されていた。旧田名部町と周辺34か町村の総鎮守とし崇敬庇護されてきた。
*北前船:「北前船」で栄えた湊町は、青森県、秋田県、山形県、新潟県の港。青森県では田名部・十三湊・深浦など。田名部では盛岡藩の代官所、北前船の積み荷の集配地として栄えた。