縫道石山(縫道石)ぬいどういしやま(ぬいどういし)

下北半島北西部のむつ市と佐井村にまたがり、標高626mの名峰のひとつで断崖絶壁の岩山。その特異な岩山の姿から江戸時代には地元で「入道石」と呼ばれていたことが、紀行作家、菅江真澄*の「遊覧記」や、古い「佐井村誌」に記録されている。
 標高が高くなく、前衛の山に囲まれているため、周辺の平地から確認するのは難しい。
 むつ市から国道338号、県道46号、253号を経て野平、かわうち湖を過ぎて野平林道を北上した所に登山口がある。また佐井村福浦から野平林道を登ったところに同じ登山口があり、山頂までは1時間強。
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みどころ

圧倒的な存在感の岩山で、岩峰が天に向かってそびえたつ特異な地形が美しい。佐井村福浦地区の旧福浦小学校付近からその岩峰の全容を眺めることができる。広いテーブル状の山頂からは福浦川沿いの街並みとその向こうに津軽海峡が広がり、天気が良ければ海の向こうに津軽半島や北海道も俯瞰できる。
 ヒノキアスナロ林の深い緑の中にそそり立ち、山頂周辺には高山性植物が生育する。特に山頂の岩には地衣類オオウラヒダイワタケ*があり特殊植物群落として天然記念物に指定されている。その姿は黒い小さな塊にしか過ぎず目立ちにくいので保護のため、岩場の登攀は望ましくない。
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補足情報

*菅江真澄:1754~1829年。江戸中期から後期にかけての国学者、紀行家、民俗学者。蝦夷地や東北地方の紀行日記は写生図とともに江戸後期東北の歴史地理の精細な当時の姿を描写している。
*オオウラヒダイワタケ:北米アパラチア山脈を中心とする地域に自生し、北米東部特産の地衣類。日本ではこの地域だけで発見されている。
関連リンク 佐井村(WEBサイト)
参考文献 佐井村(WEBサイト)
下北ナビ(WEBサイト)
東北森林管理局(WEBサイト)
『青森県の山』根深誠 山と渓谷社

2023年09月現在

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