安曇野市は、長野県中西部にある市。飛騨山脈(北アルプス)の主稜線の東側を南北に走る常念山脈の東麓から、松本盆地北西部の複合扇状地である安曇野の一帯を市域とする。市の東部を犀川が北に流れ、北東部で同川左岸に、南流する高瀬川、烏川を合わせて東流する穂高川、北流する万水(よろずい)川などが合流する。
 松本市、大町市、池田町、松川村、筑北村、生坂村に接する。
 犀川の左岸をJR大糸線(北アルプス線)、国道147号(糸魚川街道)、右岸を篠ノ井(しののい)線、国道19号が走る。これらと交差しながら長野自動車道が通り、安曇野インターチェンジがある。
 安曇野市は農業、工業、商業がバランスよく発展。農業は豊科地区で北アルプスの豊富な湧水を利用したワサビ栽培、ニジマス養殖が行われ、市域の山麓一帯ではモモ、リンゴなどの果樹が栽培されている。製造業は食品業を始め、精密機械加工業、部品加工業が盛ん。
 西部には燕岳、大天井岳、常念岳など海抜3,000m級の雄大な北アルプス山々がそびえる。下流で穂高川となる中房川の上流には、穂高温泉郷があり、烏川の流域では国営アルプスあづみの公園や県営烏川渓谷緑地などが整備されて、多くの観光客が訪れる。
 この他に、国指定重要文化財の室町末期の松尾寺本堂(薬師堂)と江戸時代前期の曽根原家住宅、国指定天然記念物の穂高温泉郷の一つ中房温泉の膠状珪酸および珪華(こうじょうけいさんおよびけいか)、県指定無形民俗文化財の穂高神社の御船祭などがある。

観光資源一覧

碌山美術館の写真

写真提供:公益財団法人 碌山美術館

碌山美術館 (長野県 安曇野市 )

安曇野に生まれた彫刻家荻原守衛(おぎはらもりえ 号:碌山(ろくざん))の作品を展示した美術館で、1958(昭和33)年に開館したもの。赤レンガ造の小さな教会風の建物で、代表作『女』『北條虎吉像』など14点の彫刻や彼の蔵書・資料が並べられている。  第一展示棟、第二展示棟には彼の影響をうけた芸術家や友人の高村光太郎、戸張孤雁...

穗髙神社の写真

穗髙神社 (長野県 安曇野市 )

安曇族*の祖神を奉斉した神社で、本宮を安曇野市穂高に、奥宮を上高地の明神池の畔に、嶺宮を奥穂高岳頂上に祭っている。本宮は、深い杉林に囲まれて拝殿が立ち、その奥に3棟の本殿が横に立ち並ぶ。日本アルプスの総鎮守として、また交通安全の守神として信仰を集める。20年ごとに大遷宮、その間に2度の小遷宮が行われ、この折に催される遷...

湯治と岳人の宿 中房温泉の写真

湯治と岳人の宿 中房温泉 (長野県 安曇野市 )

北アルプス燕岳の山麓で標高1,462m、中房川上流の渓間にある一軒宿の温泉。中房温泉招仙閣と中房温泉ロッヂの2つの建物があり、旅館には浴室が14ケ所、露天風呂・蒸し風呂・湯滝などがある。中房川下流では、木の葉脈を転写した珪華が見られる。  現在、中房温泉で湧出する源泉は多数あり、その殆どの温度が90度以上の高温で、その全ての温...

常念岳の写真

常念岳 (長野県 松本市 / 長野県 安曇野市 )

梓川の渓流を間にして穂高連峰・槍ケ岳と相対する常念山脈の主峰。標高は2,857m。花崗岩よりなる山頂は、ピラミッド型をしており、南北に長くバランスのとれた稜線をのばしている。山頂に立てば、穂高連峰・槍ケ岳の山並みをはじめJR大糸線沿いの町々まで360度の展望が開ける。  蝶が岳から大天井岳への縦走コースのほか東側安曇野の一の沢...

槍ヶ岳の写真

槍ヶ岳 (長野県 松本市 / 長野県 大町市 / 岐阜県 高山市 / 長野県 安曇野市 )

北アルプスの中央部、穂高連峰の北方にそびえ標高3,180m。高さでは奥穂高岳に及ばないが、天に向かって尖峰を突き上げ、キリリとひきしまった山容は、日本アルプスの王者と仰がれている。尾根も雄大で、北は険しい北鎌尾根がつづき、東は大天井岳、南は穂高連峰、西は三俣蓮華岳へと延びている。  山体の標高2,500m以上の部分は、洪積世氷...

大王わさび農場の写真

大王わさび農場 (長野県 安曇野市 )

安曇野市には名水百選に選定されている「安曇野わさび田湧水群」があり、北アルプスからの雪解け水が伏流水となって豊富に湧き出しており、日量70万tもの湧水量で、真夏でも水温が15度を超えることはない。  こうした清らかで豊富な水は、ワサビ*栽培に用いられ、さらにワサビ田からの流出水を利用してニジマス養殖が行われている。  ...