常念岳じょうねんだけ

梓川の渓流を間にして穂高連峰・槍ケ岳と相対する常念山脈の主峰。標高は2,857m。花崗岩よりなる山頂は、ピラミッド型をしており、南北に長くバランスのとれた稜線をのばしている。山頂に立てば、穂高連峰・槍ケ岳の山並みをはじめJR大糸線沿いの町々まで360度の展望が開ける。
 蝶が岳から大天井岳への縦走コースのほか東側安曇野の一の沢からの登山ルートが一般的である。春の残雪期、山腹にこの山の言われとなった徳利を持った「常念坊」*の雪形が現れるという。
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みどころ

安曇野や松本から眺めると特に端正で美しいピラミッド型の山でひときわ目立ち、地元のシンボルとなっている。特に、安曇野市の拾ヶ堰(じっかせき)*の桜並木越しに見える常念岳は絶好の写真撮影スポットである。また、南側の蝶が岳、西側の西岳周辺からもきれいなピラミッドの姿が美しい。
 常念岳の山頂から間近に見える穂高連峰や槍ヶ岳、安曇野や松本周辺の景観も素晴らしい。蝶ヶ岳から大天井岳の縦走路からや、槍ヶ岳からの表銀座*とよばれるコースの途中からも、どっしりとしたきれいなピラミッドを望むことができる。(林 清)
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補足情報

*常念坊:修験中の常念坊が登山した、あるいは800(延暦19)年ころ坂上田村麻呂がこの地の大王を討ったとき,大王の家来の常念坊がこの山に逃れたことから常念岳と名付けられたという伝説が残る。
*拾ヶ堰(じっかせき):1816(文化16)年開削された農業用水路、全長5km。勾配1/3,000(3kmでわずか1m)だけというわずかな高低差しかない水路。2016(平成28)年世界かんがい施設遺産に登録された。
*表銀座:安曇野市の燕岳から大天井岳、西岳経由で槍ヶ岳に至る縦走コース。北アルプスの中でも縦走路が変化に富み山岳の眺望にすぐれた人気コースの筆頭と言える。
関連リンク 新まつもと物語(松本市)(WEBサイト)
参考文献 新まつもと物語(松本市)(WEBサイト)
安曇野(一般社団法人安曇野市観光協会)(WEBサイト)
「長野県の山」「甲信越百名山」 山と渓谷社
「信州山歩き地図Ⅱ」 信濃毎日新聞社
「信州ふるさと120山」 信濃毎日新聞社

2022年09月現在

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