秩父市
印刷する秩父市は、埼玉県西部に位置し、北は群馬県藤岡市、神流町、上野村、西は長野県川上村、南は山梨県山梨市、甲州市、丹波山村及び東京都奥多摩町に接する。
秩父市の西部市県境は、秩父山地の周縁部にあたり、城峰山、二子山、甲武信ヶ岳、雲取山、武甲山などが稜線を形成し連なる。河川はこれら山稜を源とし深いV字谷を形成し、秩父山地を流下して急峻な地形を作る。河川の上流部に二瀬ダム、滝沢ダム、浦山ダム、合角ダムなどがあり、首都圏の水がめの一端を担っている。
秩父盆地にある中心市街は古くから養蚕の中心地として発達した。明治以降近代的な柄物の秩父銘仙の生産地として知られたが、現在は合成繊維の着尺地などが主製品となっている。また武甲山の石灰岩を原料とする影森地区のセメント工業、奥秩父の山地を背景とする製材工業が盛んであったが、近年は電気機器工業の成長が著しい。
農業は、果樹を中心とした観光農業、農産加工などの高付加価値農業のほか、地域の特性を活かした野菜、工芸作物、花きの栽培や、畜産が行われている。
観光では、三峰山や二瀬ダム、中津渓谷をはじめ、四季折々の自然が楽しめるほか、秩父三十四所の札所で日本三大曳山の一つ秩父夜祭で有名な「秩父神社」など名所旧跡も数多い。秩父夜祭(12月)は、2016(平成28)年、「秩父祭の屋台行事と神楽」として、ユネスコの無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」の1つとして登録された。
観光資源一覧
清雲寺シダレザクラ (埼玉県 秩父市 )
札所29番長泉院から武州中川駅方面に800mほどいくと左手に清雲寺のサクラが見えてくる。寺の開創時の1446(文安3)年に植えられたという、目通り周囲2.72m、樹高15m、枝張り東西17m、南北13mのエドヒガンのシダレザクラの大樹は、満開時には、地上近くまで枝が垂れ、まるで花笠のようになる。
三峯神社 (埼玉県 秩父市 )
関東の山岳信仰の霊場として知られる。三峰の名称は、景行天皇が訪れた際、妙法ケ岳、白岩山、雲取山の美しく連なることから名づけられたという。 境内は広く、古木に囲まれて色鮮やかな1661(寛文元)年建立の本殿と、1800(寛政12)年建立の拝殿が並ぶ。拝殿前に続く石段の両脇に、樹齢約800年のご神木がそびえる。 創祀は日本武尊(...
秩父神社 (埼玉県 秩父市 )
秩父市の中心に鎮座する。三峯神社・宝登山神社とともに秩父三社に数えられるこの社は、崇神天皇のころの創始といわれる古社で、明治維新前は秩父妙見宮と称されていた。広い境内に権現造*の本殿・幣殿・拝殿が鎮まり、左甚五郎作と伝えられる龍虎の彫刻をはじめ、社殿には華麗な彫刻が施されている。 日本三大曳山祭のひとつに数えられ...
秩父夜祭 (埼玉県 秩父市 )
京都祇園祭、飛騨祇園祭(岐阜県)と並ぶ日本三大曳山祭の一つで、毎年12月3日を中心に行われている。国の重要有形民俗文化財に指定される高さ平均約6.5m2、重さ15tもある重厚な6台の山車(屋台4基、笠鉾2基)が秩父神社中心に曳き廻され、とりわけ本番の3日は秩父盆地の街並みをこだまする屋台ばやしの太鼓の音が祭りを一層盛り...
和銅採掘遺跡 (埼玉県 秩父市 )
「続日本書紀」によると、708(慶雲5)年に「武蔵国秩父郡、和銅を献る」とあり、自然銅(にぎあかがね)を朝廷に献上したとある。貨幣を鋳造した朝廷では宣命を発し、年号を和銅と改めた。和同開珎は長い間わが国最初の貨幣とされていたが、1999(平成11)年の富本銭(ふほんせん)の出土によりその座を譲ることになった。 しかし、富本...
甲武信ヶ岳 (長野県 川上村 / 山梨県 山梨市 / 埼玉県 秩父市 )
奥秩父主脈のほぼ中央に位置する標高2,475mの山で、甲州(山梨)、武州(埼玉)、信州(長野)の境にあるのでこの名が付けられている。また、山容が拳に似ているため拳岳の字もあてられる。 この山を中心に尾根は3つに分かれ、また、千曲川、荒川、笛吹川が源流を発する重要な山でもある。山頂近くまで原生林が覆うが、山頂からの展望は開...