甲武信ヶ岳こぶしがたけ(こぶしだけ 川上村)

奥秩父主脈のほぼ中央に位置する標高2,475mの山で、甲州(山梨)、武州(埼玉)、信州(長野)の境にあるのでこの名が付けられている。また、山容が拳に似ているため拳岳の字もあてられる。
 この山を中心に尾根は3つに分かれ、また、千曲川、荒川、笛吹川が源流を発する重要な山でもある。山頂近くまで原生林が覆うが、山頂からの展望は開けている。頂上の南東方に甲武信小屋がある。
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みどころ

なんといっても名前がいい。この名前と奥秩父主脈の中央に位置すること、針葉樹林に包まれた登山道などの魅力で多くのフアンを集めている。ただし拳岳という別名があるように飛び出したピークがなく、周辺の山々との標高差も少ないため、国師ヶ岳同様、どちらかというと遠方から確認しにくい山である。
 山頂の北側には甲武信ヶ岳よりも高い三宝山(2,484m)もあるなど、有名な山でありながら控えめな印象ではあるものの、周辺部には多くの見どころ有している。頂上南側の直下には甲武信小屋は木造りの山小屋があり雰囲気がよく、また山頂まで近いため手軽にご来光を楽しめる。山頂の北西部の西沢沿いの登山道には、千曲川・信濃川水源地標があり源流の清水を飲む楽しみもある。また北部の尾根沿いの登山道には十文字峠*が通っており周辺はシャクナゲの名所になっている。山梨県側の山麓には西沢渓谷が美しい姿を見せ、滝を巡り七ツ釜五段の滝までの周遊ルートがある。
 頂上からは西に八ヶ岳、南に富士山、北西に御座山・浅間山を望むことができる。(林 清)
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補足情報

*十文字峠:甲武信ヶ岳と三国山を結ぶ尾根筋と川上村と武州の栃本を結ぶ信州路が直交することによる名前。ここを通る信州往還はかつて通行人が多く、東方の栃本には関所が置かれていた。
関連リンク 川上村(WEBサイト)
参考文献 川上村(WEBサイト)
山梨市観光協会(WEBサイト)
環境省(環境省関東地方環境事務所)(WEBサイト)

2022年09月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。

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