勝連城跡かつれんじょうあと

勝連半島の付け根に位置する丘陵上に築かれた城跡。正確な築城年は定かではないが、13世紀前後に造られたと考えられている。自然の地形を利用して石灰岩の石垣をめぐらせた5つの曲輪からなり、北西の最高部から一の曲輪、二の曲輪、三の曲輪、四の曲輪へと階段状に低くなり、再び南東側の東の曲輪で高くなっている。
 歴代の勝連按司(あじ)がこの城を治めていたが、10代城主となった阿麻和利(あまわり)の時代、勝連一帯は大いに栄え、出土品から海外や日本との交易を活発に行っていたことがわかっている。
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みどころ

最も高い一の曲輪は標高約98m。ここに立つと、金武湾を囲む沖縄本島北部の山々から太平洋、南は知念半島や中城湾まで望むことができる。この壮大な景観を堪能しよう。
 10代城主の阿麻和利は、当時の琉球国王・尚泰久の娘を嫁にしていたが、王府打倒へ動き出す。だが、そのことを妻らに察知され、反対に王府軍に攻め込まれて、阿麻和利はこの城で命を落とした。琉球王国が安定していく過程で、歴史に登場した城であり、世界遺産*に登録されているのはその理由からである。琉球王国の歴史の興亡に思いを馳せながら、グスク巡りを楽しみたい。
 入口付近にある勝連城跡休憩所には、勝連城跡の地形と配置がわかるジオラマや、歴史の解説などが展示されているので、事前に立ち寄っておきたい。
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補足情報

*世界遺産:世界遺産条約(1972(昭和47)年)に基づき、人類共通の宝物として未来の世代に引き継いでいくべき文化財や遺跡、自然環境として、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会により登録された有形の資産。文化遺産・自然遺産・複合遺産の3種がある。
関連リンク 世界遺産 勝連城跡(一般社団法人うるま市観光物産協会)(WEBサイト)
参考文献 世界遺産 勝連城跡(一般社団法人うるま市観光物産協会)(WEBサイト)
高良倉吉監修『沖縄の世界遺産 琉球王国への誘い(楽学ブックス)』JTBパブリッシング、2013年

2020年04月現在

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