諏訪大社すわたいしゃ

全国各地の諏訪神社の総本社であり、信濃国一之宮として崇敬される諏訪大社は、諏訪湖を隔てて南北に上社、下社が鎮座する。上社は諏訪市の本宮と茅野市の前宮、下社は下諏訪町の春宮と秋宮とに分かれ、この4社を合わせて諏訪大社となる独特の形式をもつ。
 祭神は出雲系の神、建御名方神(たけみなかたのかみ)*と妻の八坂刀売神(やさかとめのかみ)で、古来、武神・農耕神・養蚕神・狩猟神・風神として武士や農民、狩人などから広く信仰を集め、特に鎌倉武士や武田信玄の崇敬はよく知られている。なお上社は建御名方神の神裔という神(じん)氏*が、また下社は金刺(かなざし)氏が神職として祀った。
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みどころ

諏訪大社の信仰としては、風と水を司る竜神の信仰や、風や水に直接関係のある農業の守護神としての信仰が古くから著名。この水の信仰から発展して諏訪の神は海の守り神となり、古くからある港の近くには必ずと言っても良い程にお諏訪さまがお祀りされていて多くの信者を集めている。
 4つの社で諏訪大社となる独特な形式を持ち、この4つを巡ると充実した心持ちになる。
 それぞれ特徴ある造りであるが、本宮は諏訪造*の代表的なもので、四社の中でも昔の姿が残っている。東参道から入ると正面に布橋と呼ばれる全長67mの屋根付き回廊があり、この社独特の雰囲気をかもし出している。
 4社にそれぞれ4本の御柱があり、これもみどころのひとつとなっている。(林 清)
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補足情報

*建御名方神:『古事記』によると父の大国主神と兄の事代主(ことしろぬし)神が高天原政権に穏やかに国譲りをしたのに対し、一人抵抗。最後に科野(しなの)の国州羽の海(くにすわのうみ)で降参し、この地を出ないことで許されたと記される。この話は諏訪地方が大和朝廷に容易に屈しなかった地方政権の存在を示すものという。
*神氏:上社の祠官(しかん)。大祝を世襲した家系で、のちに諏訪氏と称している。現身神の大祝として諏訪地方の祭政に携わってきた。鎌倉時代ごろから武士化しはじめ、中世末には祭政権が分離し、上社の神宮と諏訪の領主の2家に分かれた。
*諏訪造:弊殿、拝殿、左右片拝殿が横に並び本殿を欠く独特な様式。
関連リンク 諏訪大社(WEBサイト)
参考文献 諏訪大社(WEBサイト)
おいでなして しもすわ(下諏訪観光協会)(WEBサイト)
「長野県の歴史散歩」 出川出版社

2022年09月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。

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