一関市は、岩手県南部に位置し、宮城県と秋田県の県境に位置する。西部は奥羽山脈の栗駒国定公園、東部は北上山地の室根高原県立自然公園の指定域。北は平泉町、奥州市、東は陸前高田市、南東は宮城県気仙沼市、南は宮城県登米市、栗原市、西は秋田県東成瀬村と接する。
 JR東北本線、東北新幹線が走り、JR大船渡線の分岐点。東北自動車道、国道4号、284号、342号、343号、456号、457号が通る。
 古代末の安倍氏から藤原、葛西氏の居館地となり、1607(慶長12)年に仙台藩領となった。1681(延宝9・天和元)年以降は田村氏3万石の城下となった。1890(明治23)年の東北本線開通以前は北上川水運に依存し、狐禅寺は500石積みの積替え港として栄えた。
 特産に曲がりネギ、凍豆腐などの他、国営須川パイロット事業によって果樹園芸なども行われた。葉タバコ栽培、牧畜、酪農も盛ん。現在は一関流通団地や一関東工業団地が造成され、電子工業、精密機械などの工場がある。
 宮城、秋田の両県に隣接し、3県にまたがる栗駒山、磐井川に沿って厳美渓(国指定名勝・天然記念物)、砂鉄川には猊鼻渓(国指定名勝)がある。栗駒山麓には真湯、須川温泉、一関温泉郷などがある。世界遺産登録のまち「平泉」や三陸方面への観光拠点ともなっている。

観光資源一覧

栗駒山の写真

写真提供:一般社団法人東北観光推進機構

栗駒山 (岩手県 一関市 / 宮城県 栗原市 / 秋田県 東成瀬村 )

奥羽山脈のほぼ中央に位置し、岩手・宮城・秋田の3県にまたがる1,626mの山で、岩手県側では須川(すかわ)岳、秋田県側では大日(だいにち)岳とも呼んでいる*。那須火山帯*に属し、複雑な山容の休火山で、かつては八万地獄、毒気地獄などと呼ばれ、この山に入った者は生きて帰ることがないといわれた。現在でも北斜面中腹にはたくさんの硫...

猊鼻渓の写真

写真提供:一般社団法人東北観光推進機構

猊鼻渓 (岩手県 一関市 )

JR東北線・東北新幹線一関駅から北東へ約13kmにあり、最寄り駅はJR大船渡線猊鼻渓駅。北上川の支流、砂鉄川が北上山地の石灰岩層を節理面に沿って、浸食してできた渓谷である。両岸には約2kmにわたって高さ30~100mに及ぶ絶壁や奇岩が屹立し、壮夫岩(そうふがん)・馬りょう岩など16カ所の奇岩のみどころが展開する。散策道の最奥には名の由...

須川温泉の写真

写真提供:須川高原温泉

須川温泉 (岩手県 一関市 / 秋田県 東成瀬村 )

JR東北線・東北新幹線一ノ関駅から西北西へ約33km、バスで山間部を約90分かけて上っていく*。宮城県、秋田県、岩手県の3県にまがたる栗駒山、その山頂の北方、中央火口丘である剣岳の北麓にある。  岩手県側の標高1,126mに位置する須川高原温泉は、潅木や溶岩に囲まれ野趣に富んだ宿である。高地に位置するため紫外線が強く、気候療養の適...

骨寺村荘園遺跡の写真

写真提供:一般社団法人東北観光推進機構

骨寺村荘園遺跡 (岩手県 一関市 )

JR東北線・東北新幹線一ノ関駅から西北西へ約16km、バスで山間部を約40分かけて上っていく。  骨寺村荘園遺跡は、『陸奥国骨寺村絵図』(以下、「荘園絵図」。)とよばれる中世荘園絵図の景観が今なお残る貴重な遺跡である。骨寺村荘園遺跡がある一関市厳美町本寺地区は、その昔「骨寺村」と呼ばれた荘園で、中尊寺経蔵別当領であった。荘...

もち膳の写真

写真提供:一関市

もち膳 (岩手県 一関市 )

岩手県一関市・平泉町は、江戸時代、現在の岩手県南部から宮城県及び福島県北部を治めた仙台藩の領内であり、仙台藩(伊達藩)の命により毎月1日と15日はもちをつき、神様に供え、平安無事を祈り休息日とする習慣があった。「もち暦」には季節の節目など年間60日以上ももちを食べる日が記されていた。以来、400年にわたり独特のもち食文化が受...