骨寺村荘園遺跡ほねでらむらしょうえんいせき

JR東北線・東北新幹線一ノ関駅から西北西へ約16km、バスで山間部を約40分かけて上っていく。
 骨寺村荘園遺跡は、『陸奥国骨寺村絵図』(以下、「荘園絵図」。)とよばれる中世荘園絵図の景観が今なお残る貴重な遺跡である。骨寺村荘園遺跡がある一関市厳美町本寺地区は、その昔「骨寺村」と呼ばれた荘園で、中尊寺経蔵別当領であった。荘園絵図には、中尊寺経蔵別当領である骨寺村の範囲が示されている。
 荘園絵図から特定できる堂社や岩屋などの9区域が国の史跡に指定され、曲がりくねった水路や不揃いな形の水田、イグネと呼ばれる屋敷林に守られて点在する家々など、地形や環境、景観が現在も良好に保存されているため、国の重要文化的景観「一関本寺の農村景観」にも選定されている。
 骨寺村荘園交流館では、骨寺村荘園遺跡の歴史と価値を映像や展示により解説している。
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みどころ

栗駒山の裾野に美しい農村景観が広がる。骨寺村荘園遺跡の人と自然が織りなす豊かな農村の景観は、代表的な日本の農村の原風景を今に残し、また現代も活用され続けていることに価値がある。都市部の来訪者にとっては、この何気ない農村景観だけでも日本の原風景を感じられる空間ではないだろうか。荘園絵図を踏まえた歴史的な観点から眺めると、長い年月をかけて地域を保全・活用してきた地域の人々の生き方に感銘を受ける。
 自転車や徒歩で荘園絵図と現在の景観を対比しながら、ゆっくりと時間をかけて地域を巡るのもおもしろい。骨寺村荘園交流館を起点にして散策できる。

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