猊鼻渓げいびけい

JR東北線・東北新幹線一関駅から北東へ約13kmにあり、最寄り駅はJR大船渡線猊鼻渓駅。北上川の支流、砂鉄川が北上山地の石灰岩層を節理面に沿って、浸食してできた渓谷である。両岸には約2kmにわたって高さ30~100mに及ぶ絶壁や奇岩が屹立し、壮夫岩(そうふがん)・馬りょう岩など16カ所の奇岩のみどころが展開する。散策道の最奥には名の由来となった唐獅子の鼻に似た「獅子ケ鼻岩」がある。
 1925(大正14)年10月8日、国の史蹟名勝天然記念物に、名勝指定県内第一号に指定されている。
 船頭が竿一本で操る遊覧船(舟下り)*が出ており、船頭の歌う「げいび追分」を聞きながら楽しむことができる。
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みどころ

船頭が竿一本で操る船に乗り、深い渓谷を進む。奇岩、洞窟、滝など迫力のある絶景を四季折々に楽しむことができる。
 船の揺れに静かに身をゆだねていると、穏やかな川の流れを感じて自然に抱かれたような心地になり、五感が研ぎ澄まされていく。船頭が唄う「げいび追分」と情景が一体となり心に沁みる。岩穴に運玉*を投げ入れて運試しができるのもゲーム感覚でおもしろい。
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補足情報

*遊覧船(舟下り):所要時間は往復で約90分、定期便で運行(人数により臨時運行有り)。冬季(12月~翌年2月)は「こたつ舟」を運行。岩の穴に運玉を投げ入れる運玉入れや新緑と紅葉時期や冬のこたつ舟など、趣向を凝らした舟下りが運航されている。バリアフリー舟で車イスでもスムーズに乗船できる。
*運玉:舟下りの折り返し地点にある運試しスポット大猊鼻岩の「願掛けの穴」に、対岸から運玉を投げて穴に入れば、願いが叶うといわれている。