南さつま市
印刷する南さつま市は、薩摩半島の南西部に位置し、北は鹿児島市・日置市、東は枕崎市・南九州市に隣接し、南側及び西側は東シナ海に面している。
海岸線の北西部は砂丘地帯を形成し、南西部は変化に富んだリアス式海岸が続いている。また、市の総面積の約6割が森林で中小の山々が連なり、平野は河川流域に沿って開けている。
国道270号が西部を南北に走り、226号が海岸部を巡る。
坊津は遣唐船の発着地で、唐僧 鑑真の上陸地としても有名。中世には倭寇の根拠地の一つで、海外貿易の拠点となった。加世田地区も中世には万之瀬川の河口部が国内外交易の拠点となっていた。
現在、農業は特産のカボチャのほか、平地で水稲、丘陵地帯でミカン、ポンカン、茶など、砂丘地帯でピーマン、ラッキョウなどが栽培されている。片浦港、野間池港などではカツオ漁のほか、特産品の「いりこ」や「ちりめんじゃこ」のための沿岸漁業も盛んである。工業では製菓工場、焼酎工場、宝石研磨工場、クエン酸工場などがある。
観光面では、日本三大砂丘「吹上浜」や九州百名山にも選ばれている「金峰山」など、雄大な自然に囲まれている。国道226号線沿いの「南さつま海道」から望む東シナ海に沈む夕日や、国指定名勝「坊津」など日本の原風景とも呼べる美しい景観を楽しむことができる。
北部の砂丘海岸は吹上浜県立自然公園に、坊津町地区から笠沙町地区にかけての亜熱帯植物が茂るリアス式海岸は坊野間(ぼうのま)県立自然公園に含まれ、坊津町地区のソテツ自生地は特別天然記念物に指定されている。また、坊津町地区の十五夜行事は国の重要無形民俗文化財、大浦町地区の疱瘡(ほうそう)踊は県の無形民俗文化財に指定されている。
観光資源一覧
きびなご料理 (鹿児島県 薩摩川内市 / 鹿児島県 阿久根市 / 鹿児島県 出水市 / 鹿児島県 南さつま市 / 鹿児島県 枕崎市 )
キビナゴは鹿児島県の沿岸に広く分布しており、昔から人々の食卓にのぼってきた。鹿児島県は現在、キビナゴを市場に流通させている数少ない地域の一つだ。身がやわらかいので手開きにして、刺身を酢味噌で食べたり、南蛮漬けがポピュラー。
坊津町のソテツ (鹿児島県 南さつま市 )
沖縄から奄美大島にかけて自生する亜熱帯植物、ソテツ。自生地の北限は九州の南端、薩摩半島および大隅半島の南部の海岸を望む岩地である。南さつま市坊津町、指宿市山川、肝属郡(きもつきぐん)南大隅町佐多・肝付町(きもつきちょう)内之浦に自生しているソテツが国の天然記念物に指定されている。 薩摩半島の西南端に位置する南さつ...
吹上浜 (鹿児島県 いちき串木野市 / 鹿児島県 日置市 / 鹿児島県 南さつま市 )
薩摩半島西海岸、いちき串木野市から南さつま市にわたって広がる幅2~5km、全長47kmの大砂丘。砂丘内には薩摩湖をはじめ6つの堰止湖がある。浜に軽石が多いのも特徴で、白砂青松の海岸には根上がり松や砂に埋もれた老松が見られ、砂丘が移動することを物語っている。 砂丘のうちでもっとも砂丘らしい風景が展開するのは南さつま市金峰町の...