県中南部、琵琶湖南にあり、東は近江八幡市、竜王町、南は湖南市、西は守山市、栗東市に接する。
 中央部をJR東海道本線(琵琶湖線)、国道8号が、北部の平野部を国道477号が走る。
 北端は琵琶湖に臨む。東南部は三上山(近江富士)、妙光寺山、鏡山等がそびえる山地・丘陵地で、北部は守山市境を流れる野洲川や近江八幡市境を流れる日野川によって形成された沖積平野が展開し、野洲川右岸の扇状地に市街地が形成され、平坦な三角州は農地として利用されている。山地部には三上・田上・信楽県立自然公園、希望が丘文化公園、近江富士花緑公園等が立地する。
 2004年(平成16)野洲町と中主町が合併、市制施行。開発は古く、8基の古墳が国の史跡に指定される大岩山古墳群をはじめ、山麓から平野部にかけて多数の古墳が築造され、大岩山一帯では24基の銅鐸が出土。また、条理の地割も多くみられる。古代には東山道、江戸時代には中山道が通る交通の要衝だった。江戸時代には琵琶湖での漁業が盛んで、野洲晒は特産として知られた。
 市の基幹産業は、米作りを中心とする農業で、果物や野菜などのブランド化、ふるさとの作物を加工した新商品の開発などに力が注がれている。また、農業の他の主となる産業として、大規模な電気機械器具製造業等の工業がある。また、IT関連産業、環境に配慮した新エネルギーなどの新産業創出にも取り組んでいる。
 多数の銅鐸が出土し、「銅鐸のまち」として知られ銅鐸博物館がある。他にも古墳群や神社仏閣など豊富な歴史・文化遺産に恵まれている。大笹原神社本殿、御上神社本殿が国宝に指定されるほか、国の重要文化財も数多い。木部の錦織寺は真宗木辺派の本山。他に野洲川田園空間博物館などがある。山地部は三上・田上・信楽県立自然公園に指定され、また、滋賀県希望が丘文化公園のスポーツ施設が整備されている。また、琵琶湖岸の菖蒲浜(あやめ浜)一帯にはビワコマイアミランド(マイアミ水泳場)、マイアミ浜オートキャンプ場等の自然公園やレジャー施設が立地。毎年7月には野洲川の中州で野洲川大花火大会がひらかれている。

観光資源一覧

兵主大社の写真

写真提供:兵主大社

兵主大社 (滋賀県 野洲市 )

JR東海道本線野洲駅北口から琵琶湖方面へ、野洲市のほぼ中央にある。3世紀後半頃、景行天皇の世に滋賀穴太(あのう)へ遷された奈良の穴師坐兵主(あなしにいますひようず)神社を、欽明朝(539~571年)にさらに当地へ移し、718(養老2)年、社殿を創建したという。  もともと「兵主」の神は中国の八神信仰に由来し、渡来人が崇拝し各地に...

御上神社の写真

御上神社 (滋賀県 野洲市 )

延喜式内社で社格は旧官幣中社である。ご祭神は天之御影命であり、紀元前285(孝霊天皇6)年6月18日に三上山に天降ったといわれ、718(養老2)年3月15日に藤原不比等(ふじわらのふひと)が勅命によって現在地に社殿を造営したと伝えられている。金工鍛冶の神として崇敬され、また武神としても源頼朝をはじめ、武家の尊崇を集めた。  神社...

三上山(近江富士)の写真

三上山(近江富士) (滋賀県 野洲市 )

野洲市の南部にそびえる標高432mの小山で、近江富士*と呼ばれるごとく、円錐形の山容が美しく、湖東平野に君臨している。対岸の大津市側からは、琵琶湖越しに優しい姿を見せる。  山麓にある御上神社のご祭神天之御影命(あめのみかげのみこと)が降臨した山といわれ、山頂には奥宮が祀られ、古代からの原始的な信仰の場である。俵藤太(...

大笹原神社の写真

大笹原神社 (滋賀県 野洲市 )

JR東海道本線野洲駅から東に向かい、国道8号線に出合ったら、北上し、大篠原交差点を右折するとすぐにある。鏡山の北西麓に鎮座する。薬師如来の化身といわれ、神社南西方の岩蔵寺*の薬師は、大笹原神社とは一体の神社である。  廃仏毀釈が出る前までは、「天王さん」として親しまれ、除疫神としてまつられた。明治になり、境内社の篠原神...

銅鐸博物館(野洲市歴史民俗博物館)の写真

銅鐸博物館(野洲市歴史民俗博物館) (滋賀県 野洲市 )

JR東海道本線野洲駅から北東方向、弥生の森歴史公園に隣接する。  博物館の約500m北西の大岩山の中腹から、1881(明治14)年に14個の銅鐸(うち2個は現在所在不明)が、さらに1962(昭和37)年には10個の銅鐸が出土した。これらの中には、高さ134.7cm・重さ45.47kgと日本最大のものも含まれていた。その大半は近畿式銅鐸*であるが、東海...