上市町
印刷する県東部にあり、東は黒部市、南は立山町、西は舟橋村、富山市、北は滑川市、魚津市と接する。
富山地方鉄道本線が通じる。
新川平野の中央に位置し、東南に長く延びた長方形をなしている。東南部に標高2,999mの剱岳を主峰とする北アルプスの山々を仰ぎ、これらの山々に源を発する上市川流域と早月川上流部の山岳地帯を占めている。
1889年(明治22)町制施行。1941年(昭和16)音杉村を編入。1953年(昭和28)5村と合併。1954年(昭和29)2村を編入して現在の町域となる。剱岳は古くから山岳信仰の山で、山頂付近からは平安時代のものと推定される錫杖頭が発見されている。また、付近の山地に大岩、護摩堂、千石などの山村集落が開けた。上市川沿いの丸山台地には先土器時代の遺跡があり、山岳信仰が盛んになるにつれ、その道筋であった当地には、法音寺の門前町を中心に三のつく日に「三日市」が開かれて多くの人が集った。その後、三日市の上にあたる東に「上の市」が開かれ、やがて呉東随一といわれるほどの賑わいをもつ町並がつくられた。江戸時代には立山山麓の市場町としてにぎわった。
細川機業の繊維工場があり、また富士化学、池田模範堂など十数社の製薬工場があり、富山県東部の製薬、売薬の一中心地をなしている。特産品に、里いも、山菜、みそ、しょうゆ、生姜、大岩そうめん、エッセンシャルオイル、薬膳茶などがある。
真言密教大本山大岩山日石寺の磨崖仏(大岩不動)は国指定重要文化財。トガ(ツガ)の並木(県指定天然記念物)の参道で有名な眼目山立山寺(曹洞宗)の古刹がある。早月川上流の馬場島は釼岳冬山登山の基地。このほか、穴の谷霊場、上市黒川遺跡群、剱岳池の谷右俣氷河、ふるさと剱親自然公園、馬場島家族の森、剱岳ビュースポット、トレッキングルート(8ルート)や、科学的に癒し効果が認められた「森林セラピー基地・剱きらめきの森」、弓の里歴史文化館、上市川第2ダム(早乙女湖)、上市川沿岸円筒分水場円筒分水槽、弘法大師の清水、まま子滝、笠取の滝、西田美術館、富山県薬用植物指導センター、上市駅(スイッ チバック式)、白萩隕鉄の碑、シママチキクザクラ、宮川の大けやきなどの資源がある。剱岳雪のフェスティバル、つるぎ山菜まつり、ふるさと観光上市まつり、黒川フェスティバル、大岩山日石寺滝開き、剱岳山開き、精霊やぐら焼き、市姫さんど、獅子舞(北島、稗田、伊折、東種、廣野)などがおこなわれる。
観光資源一覧
大岩山日石寺 (富山県 上市町 )
大岩山日石寺は富山地方鉄道上市駅から車で15分ほど南方(山側)に向かったところに位置する真言密宗大本山。寺院の縁起では、725(神亀2)年、遊行でこの地を訪れた行基*1が、凝灰岩の一枚岩に磨崖仏*2を彫ったことを開基とするといわれている。もとは高野山真言宗であった。室町時代には、21の末社・七堂伽藍・60の寺が建ち並び、千を超...
剱の大王杉 (富山県 上市町 )
剱の大王杉は剱岳の麓、上市町の早月尾根・松尾平(標高1,010m付近)の麓にある立山杉の巨木で、幹周りは約12m。早月尾根にある松尾平の麓、白萩川を見下ろす標高900~950mあたりに杉の巨木が何本も立ち並ぶエリアがあり、その最も奥に立つ。 一部の登山者の間では知られていたが、2004(平成16)年北日本新聞に取り上げられたことで知ら...
剱岳 (富山県 上市町 / 富山県 立山町 )
飛騨山脈(北アルプス)北部の立山連峰にある標高2,999mの山で、富山県の上市町と立山町にまたがる。山名の文字は2003(平成15)年に現在の「剱岳」に登録された。山頂から東側に、長次郎谷、三ノ窓、小窓、大窓とU字谷が並ぶ。山頂のわずかに西より、背骨のような早月尾根が登山拠点となる上市町馬場島との2,200m以上の高低差を急角度で結ん...
大日岳 (富山県 立山町 / 富山県 上市町 )
弥陀ヶ原の北側に連なりを見せる山塊で標高は2,501m。大日岳・中大日岳(2,500m)・奥大日岳(2,606m)をもって大日三山とする記述を多くの登山書で見かけるが、富山県山名録では早乙女岳(2,093m)・大日岳・奥大日岳を大日連山としている。大日という名から分かるように、信仰の対象になっていた山で、大日如来体現の聖地であった。 189...