慶佐次湾のマングローブげさしわんのまんぐろーぶ

沖縄本島北部の東側に位置する東村を流れる慶佐次川の河口、慶佐次湾岸に広がるヒルギ(マングローブ)群落は沖縄本島では最大規模で、国の天然記念物に指定されている。ヒルギとは、熱帯から亜熱帯の、海水と淡水が混ざりあう河口の汽水域に生息する植物の総称で、マングローブとも言う。過剰な塩分を排泄できる特性をもっていて、満潮時に根が海水に浸かる環境でも生育できる。その一方で、陸から赤土や泥が海に直接流れ込んだり、荒い波で海岸が削られたりするのを防ぐ、陸と海の間のフィルターの役割も担っている。約10haもの範囲にマングローブが広がる慶佐次湾では、メヒルギ、オヒルギ、ヤエヤマヒルギの3種類のヒルギが見られる。ヤエヤマヒルギはここ慶佐次が分布の北限。
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みどころ

慶佐次湾周辺は東村ふれあいヒルギ公園として整備され、マングローブを観察できる遊歩道もあるので、子どもから年長者まで、足元が心配な人も安心してマングローブを観察できる。
 カヤックツアーは目線が水面に近くなるので、シオマネキやミナミコメツキガニ、ミナミトビハゼなどマングローブに集まるキュートな生きものを探しながらマングローブを至近距離で見ることができて楽しい。タコ足状の気根を地上に出すヤエヤマヒルギをはじめ、よく見るとヒルギの足元にはたくさんの命が満ち溢れている。亜熱帯独特の林のなかで、珍しい植物や生き物との出会いを満喫したい。