能代市は、秋田県北西部に位置する。市の中央を奥羽山脈が源の米代川が西流して日本海に注ぎ、北から常盤川と藤琴川、南から檜山川と内川が合流。米代川の下流部には能代平野が広がり、その両側は広大な台地が広がって大部分が農地として活用されている。海岸は落合沼、浅内沼などの小沼群のある砂丘が続く。東南部は房住山を主体になだらかな丘陵地で、西部は日本海に沿って南北に砂丘が連なり湖沼が点在している。
 東は北秋田市・上小阿仁村、西は日本海、南は三種町、北は八峰町・藤里町に接している。JR奥羽本線と五能線が通る。国道は7号と101号が分岐、秋田自動車道が通じ、能代南、能代東、二ツ井白神の各インターチェンジがある。
 安土桃山時代は安東(秋田)実季の支配下、近世には秋田藩佐竹氏の奉行所が置かれた。米代川上流の秋田スギ、銅・亜鉛などの鉱産物、米などの農産物が米代川舟運により能代港へ運ばれ、さらに西廻海運で上方方面へ積み出され、上方からは太物、小間物、海産物が搬入された。江戸時代から広大な森林を背景に木材業が盛んで、1907(明治40)年には秋田木材会社などの製材所が設立された。
 製材のほか、合板、建具、銘木、家具などを産出。県立大学木材高度加工研究所が設置されている。能代港は近年外材輸入港としても整備されている農業は米作のほか、能代ネギ、ゴボウ、長十郎ナシなどの栽培、乳牛飼育などが行われる。
 国の史跡に中世の檜山安東氏城館跡、縄文晩期の土器を出土する杉沢台遺跡がある。大みそかに若者たちが仮面をつけ家々を訪れて祝福を与える浅内地区のナゴメハギの行事は選択無形民俗文化財。8月初旬の七夕行事も有名。東部二ツ井町地区にある「きみまち阪」はサクラ、ツツジ、紅葉の名所で県立自然公園になっている。

観光資源一覧

能代ねぶながし(能代役七夕)の写真

能代ねぶながし(能代役七夕) (秋田県 能代市 )

例年8月上旬に行われる能代市の夏まつりで別名「役七夕(やくたなばた)」と言われ、市街地と米代川河畔で行われる。 祭り当日は、シャチを載せた城郭型の灯籠(山車)複数基がそれぞれ担当する各町内を80人ほどの若者たちによって曳き回される(自丁廻丁)。そのあと、子供たちが持った田楽灯籠を先頭に、笛と太鼓に続き、灯籠(山車)がそ...

旧料亭金勇の写真

旧料亭金勇 (秋田県 能代市 )

JR五能線能代駅から西へ900mのところにある。1937(昭和12)年に秋田スギなどの良材をふんだんに使って施工された大規模和風建築物。1階には庇、2階のガラス窓に手摺りがつけられ、正面及び側面の両端は入母屋造の屋根となっている。室内は、110畳ほどの2階大広間をはじめとして各部屋とも手が込んだ造作がなされており、秋田スギほか、マツ...

風の松原の写真

風の松原 (秋田県 能代市 )

能代市街の西側、米代川河口をはさむ能代海岸に広がるクロマツ700万本の防砂林。東西幅1km、南北総延長14km、 面積約760万m2の規模を誇り、現在は砂防の役割のみならず、市民のレクリエーションの場ともなっている。かつては「能代海岸防砂林」とされていたが、1987(昭和62)年に愛称を公募し、「風の松原」と命名された。  風...