八幡平市は、岩手県北西部に位置する。市の南境に岩手山がそびえ、中央部の西森山と前森山の北側山麓には安比高原が広がる。西部地域には十和田八幡平国立公園をはじめとする奥羽山脈の山々が南北に連なる。東は二戸市、一戸町、岩手町、南は盛岡市、滝沢市、雫石町、西は秋田県仙北市・鹿角市、北は青森県田子町と接している。北東北3県のほぼ中心にある。
 JR花輪線、国道282号(津軽街道)、東北自動車道が通じ、同自動車道は安代ジャンクションで八戸自動車道を分岐する。また、西根インターチェンジ、松尾八幡平インターチェンジ、安代インターチェンジがあり、十和田八幡平国立公園域に含まれる八幡平、岩手山への入口となっている。古くから秋田県や青森県へ通じる鹿角街道が縦貫。秋田県や青森県を含めた北東北3県の中心に位置する交通の要衝でもある。
 1914(大正3)年、松尾鉱業による硫黄の採掘と精錬が始まった。最盛期の1960(昭和35)年代には国内の硫黄産出量の三分一を生産、「雲上の楽園」とよばれる一大鉱山町が形成されたが、1972(昭和47)年に廃鉱となった。第二次世界大戦後、全国からの入植者によって開拓されたところが多い。
 農林業が主体で肉牛、乳牛飼育、稲作、特産のホウレンソウやトマト、アスパラガスなどの野菜栽培、山菜加工などが盛ん。リンドウの生産量も多い。
 岩手山北東麓には1719(亨保4)年の噴火で流れ出た熔岩が冷え固まってできた「岩手山焼走り熔岩流」(特別天然記念物)がある。松川温泉、藤七温泉、八幡平温泉郷などに宿泊設備が整い、冬のスキー、夏のリゾート地として人気。

観光資源一覧

八幡平の写真

写真提供:八幡平市

八幡平 (岩手県 八幡平市 / 岩手県 鹿角市 )

県都盛岡市から北西方向に直線で約38km、岩手県と秋田県にまたがる高原で、奥羽山脈北部に位置する。東の茶臼岳(1,578m)、南の畚岳(1,578m)、西の焼山(1,366m)などを含めた地域を八幡平と呼ぶが、狭義にはこの高原のほぼ中央、1,614mの頂が八幡平山頂である。  山域は、「十和田八幡平国立公園」に指定され、中でも山頂付近は「...

岩手山の写真

写真提供:八幡平市

岩手山 (岩手県 滝沢市 / 岩手県 八幡平市 / 岩手県 雫石町 )

盛岡市の北西約22km、十和田八幡平国立公園の南西部に大きくすそ野を広げる成層火山*。那須火山帯*に属し、第四紀に噴出したものといわれる。少なくとも7回の大規模山体崩壊が発生し、その崩壊堆積物が山麓を広く覆っている。山体崩壊の回数は国内の活火山の中で最多である。東西2つの火山群のうち、西岩手の方が古く、その火口原には八ツ...

岩手山焼走り熔岩流の写真

写真提供:八幡平市

岩手山焼走り熔岩流 (岩手県 八幡平市 )

東北自動車道西根ICから県道233号を経由して約15分ほど走ると散策路入口に到着する。岩手山の北東山腹、標高1,200m付近にあり、末端における幅は1.5km、長さ4kmに及ぶ溶岩流である。1719(享保4)年の噴火によって流れ出た溶岩が扇状に広がり、表面の波絞の如き凸凹には樹木がほとんど育たず、わずかに苔などが生えているだけという荒涼とし...

藤七温泉の写真

写真提供:藤七温泉 彩雲荘

藤七温泉 (岩手県 八幡平市 )

東北自動車道・松尾八幡平ICより八幡平アスピーテラインまたは樹海ライン経由で約60分。JR盛岡駅より岩手県北バス八幡平頂上行で1時間50分、松尾鉱山資料館で八幡平蓬莱境行に乗換5分、藤七温泉下車すぐ。  八幡平頂上の南方3.5km、畚(もつこ)岳の麓の標高1,400mの高所にあり、東北にある最高峰に位置する温泉で、一軒宿である。  温泉...