糸満市は、沖縄本島の最南端に位置し、北部は緩斜面と急斜面が織り成す比較的変化のある丘陵地形で、東部には与座岳がある。中央から南部は瓦屋根を重ねたような南に緩やかな斜面、北に断層崖を持つ台地群からなる地形である。摩文仁の丘からは崖下にはサンゴ礁が広がっている。
 三山分立時代は南山王の居城が置かれた。沖縄の漁業の本拠地で、かつてはサバニ(くり舟)で南方諸地域まで漁に出たという伝統をもつ。農業も盛んで、サトウキビをはじめ、野菜・葉タバコなどが栽培されている。
 各地域には旧暦文化に根差した各種の伝統行事も数多く残るとともに、沖縄戦の激戦地であったことから多くの戦跡(ひめゆりの塔など)や沖縄平和祈念公園が存在している。

観光資源一覧

ひめゆりの塔の写真

ひめゆりの塔 (沖縄県 糸満市 )

沖縄戦さなかの1945(昭和20)年3月末、沖縄県立第一高等女学校および沖縄師範学校女子部の生徒222名と、引率教職員18名が看護要員として動員された。ひめゆり学徒隊は、この看護隊の通称である。米軍上陸後も最後まで軍と行動を共にし、多くの犠牲者を出すこととなった。  ひめゆりの塔は、もっとも多くの犠牲者を出したといわれる第三外...

平和祈念公園の写真

平和祈念公園 (沖縄県 糸満市 )

沖縄本島南部、沖縄戦終焉の地である糸満市摩文仁の切り立った海岸線を望む台地に広がる公園。  1945(昭和20)年4月、沖縄本島に上陸した米軍は激戦を繰り広げながら、日本軍をじわじわと追い詰めた。ついに、沖縄守備軍は首里を撤退して、住民を巻き込みながら南下したため、沖縄本島南部は沖縄戦最大の激戦地となり多大な犠牲者を出した...

糸満ハーレーの写真

写真提供:糸満市役所

糸満ハーレー (沖縄県 糸満市 )

豊漁と海の安全を祈願して、沖縄の多くの漁村で旧暦5月4日に行われる競漕行事。ハーリーとは「爬竜」の中国音で竜をさす。中国から伝来した行事だが、糸満は那覇より伝来が古いとの説もある。糸満ではハーレーと呼び、漁業のまち・糸満を代表する年中行事のひとつとして、今も盛大に行われている。  糸満ハーレーは旧暦5月4日の早朝、山巓...

糸満大綱引の写真

写真提供:糸満市役所

糸満大綱引 (沖縄県 糸満市 )

雌雄2本の綱を結合させて実りを予祝し、南組北組に分かれて綱を引いて、勝負の結果で吉凶を占う伝統行事。豊年と大漁を祈願し、害虫駆除の願いも込めて長く伝承されてきた。古くから旧暦8月15日の晩に沖縄各地で行われていたが、現在は那覇、糸満、与那原が沖縄の三大綱引と呼ばれ、盛大である。  糸満では現在も旧暦8月15日に行われる。当...