平和祈念公園へいわきねんこうえん

沖縄本島南部、沖縄戦終焉の地である糸満市摩文仁の切り立った海岸線を望む台地に広がる公園。
 1945(昭和20)年4月、沖縄本島に上陸した米軍は激戦を繰り広げながら、日本軍をじわじわと追い詰めた。ついに、沖縄守備軍は首里を撤退して、住民を巻き込みながら南下したため、沖縄本島南部は沖縄戦最大の激戦地となり多大な犠牲者を出した。この激戦地だった一帯が沖縄戦跡国定公園に指定されており、平和祈念公園もその一部である。
 公園内には、沖縄戦の悲惨な実相や、および教訓を後世に正しく継承するとともに、平和創造のための学習、研究のための拠点施設である沖縄県平和祈念資料館、平和祈念像が安置されている沖縄平和祈念堂、国立沖縄戦没者墓苑、各県の慰霊塔などがある。
 平和祈念公園は、6月23日の慰霊の日に沖縄県が開催する沖縄全戦没者追悼式の開催場所でもある。
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みどころ

敷地内には、太平洋戦争・沖縄戦終結50周年記念事業の一環として、1995(平成7)年に建設された平和の礎(いしじ)がある。国籍や軍人、民間人の区別なく、沖縄戦などで亡くなったすべての人々の氏名が刻まれており、歴史と風土の中で培われた沖縄の平和のこころを広く内外に伝えている。6月23日の慰霊の日には、刻まれた名前の前に花を手向ける多くの人の姿がある。
 また、沖縄県平和祈念資料館は、住民の視点から沖縄戦の実相を伝えるものであり、生き残った住民の証言はとくに胸に迫る。修学旅行生をはじめ多世代の人々に平和の尊さを伝える貴重な平和学習の場となっている。