村上市は、新潟県の北部、下越平野の北端、三面盆地の南端に位置し、胎内市、関川村、海を隔てて粟島浦村に、また山形県鶴岡市、西川町、小国町に接する。蒲萄山地と朝日山地に囲まれており、平地は飯豊朝日山系に源を発する荒川・三面川流域をはじめ、石川流域や大川流域に広がっている。荒川、三面川及び石川河川流域は、肥沃な水田として農業生産活動の基盤となっている。
 JR羽越本線と国道7号、113号、290号、345号が通じる。
 市のシンボルをなす臥牛山は、中世小泉庄を領有した本荘繁長の居城があった。近世は加賀小松城から村上義明が移封し、さらに堀直寄に引き継がれて、山麓に平城の舞鶴城と城下町が築かれ、町も「村上」と改められた。古い山城城下町から近世の平城城下町に改造された典型的な城下町で、諸形態がそのまま保存され、県の史跡・名勝に指定されている。
 古くから2、7日の六斎市場で賑わい、西奈弥羽黒神社で行われる村上大祭に引き出される山車は名物で、昔の面影を忍ばせている。茶の商業的栽培の北限といわれる村上茶と県の文化財工芸品に指定されている木彫堆朱が名産である。また、藩の殖産興業策から発展した三面川のサケ漁はいまも盛んである。
 農業では、米、大豆、そば、 ねぎ、枝豆、加工用トマト、ゆり切花、 お茶、村上牛、 鶏卵、豚肉などを産する。
 観光資源には、瀬波温泉、国史跡村上城跡、国重文若林家住宅、国重文浄念寺本堂、町屋、安善小路(黒塀通り)、イヨボヤ会館、おしゃぎり会館、まいづる公園、六斎市、三面川の居繰網漁、お幕場森林公園・大池公園、国史跡平林城跡、ポーラースター神林、二子島森林公園、虚空蔵グリーンパーク、奥三面ダム、鳴海金山、日本の滝百選 鈴ヶ滝、縄文の里朝日、国名勝天然記念物笹川流れ、国指定天然記念物筥堅八幡宮社叢、国指定重要無形民俗文化財村上大祭、瀬波大祭、岩船大祭、町屋の屏風まつりなどがある。

観光資源一覧

笹川流れの写真

写真提供:村上市山北支所

笹川流れ (新潟県 村上市 )

県北部、浜新保から寒川(かんがわ)まで11kmにわたり独特の奇岩景観を見せている海岸線をいう。笹川流れの名称は、岩の間を盛り上がるように流れる潮流を、中心地笹川集落の名にちなんで付けられた。  隆起花崗岩が日本海の荒波で浸食されたもので、青々と松が茂る奇岩礁と、白砂の浜が交互に続き、前方に粟島が横たわる。頼三樹三郎*は...

村上の鮭料理の写真

村上の鮭料理 (新潟県 村上市 )

川煮、がじ煮(雅味煮)、しょう油ハラコ(腹子)、子皮煮、酒びたし、氷頭(ひず)なます、飯(いい)ずし、すっぽん煮、ナワタ汁、塩引き……。いずれも、新潟県の村上ではぐくまれ、今も口にすることのできるサケ料理である。サケの本場の北海道にも見られないこれだけのサケ文化が生まれたのには次のような背景がある。  村上市を流れる...

村上大祭の写真

写真提供:一般社団法人村上市観光協会

村上大祭 (新潟県 村上市 )

江戸時代初期、1633(寛永10)年に藩主堀直竒(なおのり)が西奈弥(せなみ)羽黒神社社殿を城から見下ろすのは畏れ多いとして、臥牛山中腹から現地に遷座した際、その祝いとして町民が大八車に太鼓を積んで乗り回したのが始まりと言われる。祭りは3基の神輿に御神霊を奉って、荒馬14騎、稚児行列を先頭に町内を巡行する「お旅神事」だが、圧...