魚津市
印刷する県北東部にあり、北から東は黒部市、南は上市町、西は滑川市に接し、北西部は富山湾に面している。
あいの風とやま鉄道(旧、JR北陸本線)と富山地方鉄道本線が通じ、北陸自動車道、国道8号が走る。
富山湾に臨む水産・工業都市。南東部は、最大標高2,415m(釜谷山:毛勝三山の一つ)に達する山岳地帯で、北アルプスに連なる。これらの山々を源として、片貝川、布施川、早月川や角川などの河川が流れ、富山湾に注ぐ。市域の約70%が標高200m以上の急勾配な山地で占められ、台地から平坦地、海岸へとおだやかな斜面を形成している。富山湾に面する海岸線の延長は約8kmで比較的平坦だが、海中では海底が急傾斜となり深層まで落ち込んでいるため、魚津の港は昔から良港として船の出入りが多く、海底の湧水に育まれ魚の種類も量も豊富。
1952年(昭和27)魚津町と11村が合併して市制施行。古来小津(おづ)といわれた漁村。中世、椎名氏の居城松倉城(魚津市街の南方6㎞)の一支城として魚津城が築造され、のちにこの地の中心となった。前田利家の領有となったが、元和(1615~1624)のころに廃城。その後、魚津に町奉行、郡代を置き、旧城の周囲に武家屋敷、それを取り巻いて町人町があり、漁師町とともに発展した。1918年(大正7)の米騒動の発端の地である。
水田が主体でうおづ産コシヒカリはブランド米として知られる。県内を代表するリンゴの産地であり、ほかにぶどう、梨なども生産。水産業は定置網漁業が主体で、ホタルイカ、シロエビ、細工かまぼこは名産品として知られる。主要工場はパナソニック、日本カーバイド工業、スギノマシンなどがある。
魚津海岸は4月下旬~6月上旬ごろ蜃気楼がみられ、魚津水族博物館は日本海岸屈指の設備を誇る。魚津漁港付近の埋没林(魚津埋没林)は、1930年(昭和5)に漁港修築工事で地表下約1mに樹齢1000年もの樹根二百数十株(大部分はスギ)が発見された。おもなものは魚津埋没林博物館に保存されており、ホタルイカ群遊海面とともに特別天然記念物となっている。ほかにミラージュランド・魚津総合公園、歴史民俗博物館、松倉城とその支城群などがある。また、片貝川右岸の金太郎温泉、海の駅・蜃気楼、東山円筒分水槽、沌滝、片貝山ノ守キャンプ場などがある。まつりでは、魚津のタテモン行事は国の重要無形民俗文化財に指定され、山・鉾・屋台行事としてユネスコの無形文化遺産に登録されているほか、八幡社みこし祭り、愛宕社火祭り、小川寺の獅子舞、金山谷の獅子舞などの祭事や、桜のページェント、魚津しんきろうマラソン、戦国のろし祭り、じゃんとこい魚津まつり、朝市、魚津かにの陣、漁火まつりなどがおこなわれる。
観光資源一覧
洞杉 (富山県 魚津市 )
魚津市南東部の毛勝三山を源として富山湾に注ぐ片貝川の上流部・南又谷の500~700m付近を中心に樹齢500年以上と推定される天然スギ(タテヤマスギ・アシウスギ)が群生している。これらの群生するスギの古木は、幹に空洞ができることから地元では洞杉と呼ばれている。洞杉の多くは、何本にも枝分かれしながら巨大な石や露出した岩の上に乗る...
富山湾の埋没林 (富山県 魚津市 )
埋没林とは、「何らかの原因で林が地中に埋まり、現在まで保存されたもので、河川の堆積物に覆われたものや、地上で水成及び風成堆積物、火山の噴出物などに埋もれたもの」をいう。 魚津の埋没林は、河川の堆積物に覆われたのちに海水面下に没したもので、1930(昭和5)年、魚津港修築の際多くの古代の樹根が発掘された。この埋没林は約20...
富山湾の蜃気楼 (富山県 魚津市 )
蜃気楼とは、大気中の温度差によって光が屈折し、遠方の風景などが、伸びたり、反転した像が現れたりする現象のこと。魚津市の海岸は古くから蜃気楼の展望地として知られており、対岸の建物や航行中の船舶が伸びた姿などが見られる。蜃気楼には2種類あり、春の蜃気楼として有名な「上位蜃気楼」と冬の蜃気楼として知られる「下位蜃気楼」があ...