長崎ランタンフェスティバルながさきらんたんふぇすてぃばる

長崎新地中華街*の人びとによる旧正月を祝う行事が、1994(平成6)年から規模を拡大し、長崎の冬を代表する一大イベントとなったもの。現在も旧暦に基づいて開催されており、開催期間は旧暦1月1日(春節)から1月15日(元宵節(げんしょうせつ)*)まで。
 中国の元宵節にあわせてランタン(中国提灯)を飾る風習にならい、約1万5,000個のランタンと、動物や人物など様々な形をかたどったオブジェが、長崎の街中に飾り付けられる。また、唐船の乗組員たちの神事を再現した媽祖行列や皇帝パレード、龍踊りなど、中国文化にちなんだイベントも多数行われる。
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みどころ

ランタンは極彩色ながらその光は柔らかく、ふんわりと温かみがあって優しい。
 主な会場は新地中華街・湊公園、中央公園、唐人屋敷、中島川公園、興福寺、崇福寺、鍛冶市、浜んまち、孔子廟だが、各会場だけでなく街中の通りにもランタンの光が連なり、街全体が幻想的な灯の中に浮かび上がる。それは、長崎のまちが中国文化と密接な関係をもって今日に至ったことを表している。
 湊公園や新地中華街の華やかで迫力のあるオブジェ、黄色のランタンが水面に映える眼鏡橋周辺、優しい光に照らされよりいっそう神秘的な雰囲気の漂う唐寺など、場所ごとに様々な表情を見せる。光の中を泳ぐように歩くのが楽しい。
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補足情報

*長崎のまちと中国:江戸時代、中国との正式な国交はなかったが、私貿易は盛んに行われ、長崎でのみ許可されていた。中国が明だった頃、中国人たちは長崎市内での雑居が認められていたが、1689(元禄2)年に唐人屋敷が造られ、中国人の居住は唐人屋敷内に限定されることになった。江戸時代中期、唐人屋敷前の海を埋め立てて、中国からの輸入品を収める倉庫(「新地蔵所」)を建てた。明治になり、唐人屋敷と新地蔵所が廃止されると、中国人たちは海により近い新地蔵所跡に移り、長崎新地中華街が形成された。
*元宵節:旧暦1月15日。この日は天の精霊が空を飛ぶ姿を見ることができると信じられており、雲や霧が出ていても精霊を見つけやすいよう、ランタンを灯して町を練り歩く祭りが始まったと言われている。また、「元宵団子」とよばれる餡入り団子を食べる風習もある。
関連リンク 長崎市公式観光サイト「travel nagasaki」(一般社団法人長崎国際観光コンベンション協会)(WEBサイト)
参考文献 長崎市公式観光サイト「travel nagasaki」(一般社団法人長崎国際観光コンベンション協会)(WEBサイト)
2020長崎ランタンフェスティバル(パンフレット)

2024年09月現在

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