長崎孔子廟中国歴代博物館ながさきこうしびょうちゅうごくれきだいはくぶつかん

長崎市の東山手地区にある中国人が海外に建立した唯一の聖廟(儒教の祖である孔子を祀る廟)。
 1893(明治26)年に、在長崎華僑と清朝政府の協力により建てられたもので、建物の細部に至るまで本格的な中国様式が取り入れられている。中心的な建物は、黄色の屋根瓦が鮮やかな儀門と大成殿。これらを取り巻くように立つ「72賢人像」は、孔子の弟子の中でも特に優れていた72人の像で、すべて中国から持ってきたもの。
 大成殿奥には、所蔵品や企画展、孔子にまつわる貴重な品を展示した中国歴代博物館がある。また、長崎の冬の風物詩ランタンフェスティバルの会場のひとつでもある。
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みどころ

日本寺院にはない極彩色の色鮮やかな建物が美しく、ずらりと居並ぶ等身大の石像もあいまって荘厳な雰囲気が漂う。
 敷地奥にある中国歴代博物館では、中国文化を伝える貴重な美術工芸品の数々が展示されており、こちらも忘れずに見学したい。
 ランタンフェスティバルの会期中には廟内は沢山の赤いランタンに囲まれ、幻想的な雰囲気に包まれ多くの観光客で賑わう。
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補足情報

*長崎のまちと中国:江戸時代、中国との正式な国交はなかったが、私貿易は盛んに行われ、長崎でのみ許可されていた。中国が明だった頃、中国人たちは長崎市内での雑居が認められていたが、1689(元禄2)年に唐人屋敷が造られ、中国人の居住は唐人屋敷内に限定されることになった。江戸時代中期、唐人屋敷前の海を埋め立てて、中国からの輸入品を収める倉庫(「新地蔵所」)を建てた。明治になり、唐人屋敷と新地蔵所が廃止されると、中国人たちは海により近い新地蔵所跡に移り、長崎新地中華街が形成された。

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