関門海峡かんもんかいきょう

本州山口県下関市と九州福岡県北九州市の間に位置する。日本海側の響灘と、瀬戸内海や周防灘を結ぶ海峡で、古くから海上交通の要衝であり、重要な航路であった。
 歴史的にも、壇ノ浦の戦いで安徳天皇が入水した地、また巌流島での宮本武蔵・佐々木小次郎の決闘の場でもある。
 両側にある海域で生じる潮位差により、急潮流や複雑な潮汐を引き起こしている。海峡内で一番狭い壇之浦と和布刈の間の早鞆瀬戸付近では、約9ノット(※1ノットは時速1.852km)の潮流が発生。干満の変化により1日4回、約6時間ごとに潮流が向きを変える。
 この早鞆瀬戸付近に、関門橋が架かる。1973(昭和48)年に開通した全長1,068mの吊り橋で、高速自動車道となっている。海底にはトンネルが結び、こちらには鉄道および国道、さらには人が歩いて渡れる「人道」もある。
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みどころ

かつての壇ノ浦の決戦の地であり、ロマンを感じる。潮流は、鳴門海峡、来島海峡に次いで、国内第3位の速さ。潮流が速く、かつ複雑な動きをしているのが、肉眼でも容易にわかるほど。海峡内は、多いときには1日に約1,000隻の船舶が通行するといい、つねに多くの船が行き交っている。関門橋が風景のアクセントとなっており、船舶の向こうに広がる対岸の風景も、どこかノスタルジックに感じられる。
 関門海峡を見るには、福岡県側では関門橋近くにある和布刈公園や和布刈神社が、山口県側では壇之浦に面したみもすそ川公園がおすすめ。海峡がもっとも狭いエリアであり、目に見えてわかる速い潮流、密集して通行する船舶など、迫力ある風景を見られる。