四天王寺
JR関西本線・大阪環状線・阪和線天王寺駅から南大門まで北約800m、大阪メトロ谷町線四天王寺前夕陽ケ丘駅から西大門まで南へ450m。『日本書紀』によると、聖徳太子が現在地に593(推古天皇元)年、日本最初の官寺として造営*1したといわれる。寺と学校的施設である敬田院、福祉的施設である悲田院、病院的施設である施薬院・療病院の四箇院が設けられ、太子の理想である仏教精神の発揚や社会福祉事業の実現が図られた。当時のこの地は大阪湾に面した上町台地上に位置することから、丹青鮮やかな大伽藍が建ち並ぶ様は難波津に到着した外国からの使者に国威を誇示するのに充分であった。
平安時代半ば頃から寺の西門*2(国指定重要文化財の石鳥居)が極楽の東門にあたるという浄土信仰が起こり、各宗の祖師をはじめ、上皇、貴族、庶民の参詣で賑わった。堂宇はたびたびの兵火や落雷で焼失、再建を繰り返したが、1945(昭和20)年の戦災で境内の北側の一部を遺し、堂宇の大半を失った。しかし1963(昭和38)年までに、創建当初のように南大門・中門・五重塔・金堂*3・講堂を一直線に並べた四天王寺式の伽藍配置が、鉄筋コンクリート造りだが再建復元*4されている。また、戦災での焼失を免れた境内北側の本坊西通用門・本坊方丈・五智光院・六時堂*5・元三大師堂*6は江戸期1623(元和9)年造営のもので、現在国指定の重要文化財となっている。現在でも「天王寺さん」への大阪庶民の信仰は厚い。
境内への拝観の入口は南大門、石鳥居・西大門、中之門、東大門、北門からの5ケ所がある。東門側には国宝の四天王寺縁起・扇面法華経冊子*7・懸守*8・七星剣*9など、多くの寺宝を収蔵する四天王寺宝物館があり、随時企画展示が行われている(入館有料)。
年中行事として4月22日の聖霊会が知られ、舞楽などが奉納される。
平安時代半ば頃から寺の西門*2(国指定重要文化財の石鳥居)が極楽の東門にあたるという浄土信仰が起こり、各宗の祖師をはじめ、上皇、貴族、庶民の参詣で賑わった。堂宇はたびたびの兵火や落雷で焼失、再建を繰り返したが、1945(昭和20)年の戦災で境内の北側の一部を遺し、堂宇の大半を失った。しかし1963(昭和38)年までに、創建当初のように南大門・中門・五重塔・金堂*3・講堂を一直線に並べた四天王寺式の伽藍配置が、鉄筋コンクリート造りだが再建復元*4されている。また、戦災での焼失を免れた境内北側の本坊西通用門・本坊方丈・五智光院・六時堂*5・元三大師堂*6は江戸期1623(元和9)年造営のもので、現在国指定の重要文化財となっている。現在でも「天王寺さん」への大阪庶民の信仰は厚い。
境内への拝観の入口は南大門、石鳥居・西大門、中之門、東大門、北門からの5ケ所がある。東門側には国宝の四天王寺縁起・扇面法華経冊子*7・懸守*8・七星剣*9など、多くの寺宝を収蔵する四天王寺宝物館があり、随時企画展示が行われている(入館有料)。
年中行事として4月22日の聖霊会が知られ、舞楽などが奉納される。

みどころ
南大門、五重塔、金堂、講堂が一直線にならぶ四天王寺式の伽藍配置が復元され、広大な境内のなかに、しっかりと往時の姿をみせている。
境内が広大なので、まず、最大のみどころである四天王寺式の特徴的な伽藍配置とそれを構成する堂宇群の拝観がおすすめ。そのあと、一旦、回廊から出て、境内の東側にある太子殿を拝観し、もし名宝展の開催期間中ならば宝物館へと回り、宝物館で寺宝の展示を見学すれば、四天王寺の長い歴史的背景を理解することができる。
さらに亀井堂から境内北側の聖霊会などで舞楽が舞われる石舞台と六時堂へと向い、元三大師堂を巡って、最後に本坊の裏手に広がる庭園(有料)を鑑賞し、庭園内から方丈の建物の外観を眺めるとよい。
境内が広大なので、まず、最大のみどころである四天王寺式の特徴的な伽藍配置とそれを構成する堂宇群の拝観がおすすめ。そのあと、一旦、回廊から出て、境内の東側にある太子殿を拝観し、もし名宝展の開催期間中ならば宝物館へと回り、宝物館で寺宝の展示を見学すれば、四天王寺の長い歴史的背景を理解することができる。
さらに亀井堂から境内北側の聖霊会などで舞楽が舞われる石舞台と六時堂へと向い、元三大師堂を巡って、最後に本坊の裏手に広がる庭園(有料)を鑑賞し、庭園内から方丈の建物の外観を眺めるとよい。

補足情報
*1 日本最初の官寺として造営:仏教伝来にともなって崇仏派の蘇我馬子に味方して排仏派の物部守屋を倒そうとした聖徳太子が戦勝祈願をして四天王寺造営を誓った。このとき馬子も飛鳥寺の造営を誓い、588(崇峻天皇元)年から建設を始めている。
*2 西門(石鳥居):境内の南西に立つ石造の明神鳥居で、1294(永仁2)年忍性(にんしょう)の建立。この門は浄土思想の影響で西方極楽浄土の東門であると考えられるようになり、彼岸の中日に真西に沈む太陽を拝し極楽浄土を思う日想観の修行がなされた。鳥居中央に「釈迦如来、転法輪処、当極楽土、東門中心」の銅の額が掲っている。
*3 金堂:1961(昭和36)年、五重塔・講堂とともに創建当初の飛鳥時代の様式をとり入れて再建された。内部の壁画は中村岳陵画伯の筆になり、5題12面からなる壁画でお釈迦さまの一代を描いた壮麗な作品。本尊は救世(くぜ)観世音菩薩像。また五重塔は相輪が塔の高さの3分の1もあり、安定した姿である。
*4 再建復元:第2次大戦中の空襲で焼失後発掘調査によって、当初の礎石や排水遺跡から主要伽藍が南北一直線に置かれていたこと、その境域が高麗尺で方1000尺(約300m)であり、現在と相違のないことが確認された。国の史跡地に指定。
*5 六時堂:1623(元和9)年造営。816(弘仁7)年に伝教大師最澄により創建された。桁行七間、梁間五間、一重、入母屋造、本瓦葺。
*6 元三大師堂:1623(元和9)年造営。もと椎寺普門院と呼ばれる。江戸中期頃から元三大師堂となった。元三大師は平安時代の僧侶。第十八代天台座主。名を良源、諡号を慈恵大師。985(寛和元)年正月三日に遷化したので、「元三大師」とも呼ばれるようになった。桁行三間、梁間三間、一重、寄棟造、本瓦葺。
*7 扇面法華経冊子:扇型の料紙に人物や花鳥を極彩色で下絵し、法華経を写経している。絵は大和絵の技法を用い藤原時代の優麗さをたたえながら、画題は『万葉集』や『古今和歌集』などに依拠する場面、井戸端で洗濯する女たちや市場の風景という多彩さである。当時の風俗を知る上で貴重で、平安時代に流行した装飾経典のうちでも傑作と評価されている。
*8 懸守:紐をつけて首からかける御守りのことで、女性や子供が旅の道中に携帯した。聖徳太子が所持していたと伝わるが、平安文化特有の繊細で華麗な文様が施されている。
*9 七星剣:丙子椒林剣(へいししょうりんけん)とともに聖徳太子の佩刀(はいとう)といわれ、飛鳥時代の直刀である。七星などを金象嵌しているが、この文様の類例は正倉院御物の杖刀などにもみられる。
*2 西門(石鳥居):境内の南西に立つ石造の明神鳥居で、1294(永仁2)年忍性(にんしょう)の建立。この門は浄土思想の影響で西方極楽浄土の東門であると考えられるようになり、彼岸の中日に真西に沈む太陽を拝し極楽浄土を思う日想観の修行がなされた。鳥居中央に「釈迦如来、転法輪処、当極楽土、東門中心」の銅の額が掲っている。
*3 金堂:1961(昭和36)年、五重塔・講堂とともに創建当初の飛鳥時代の様式をとり入れて再建された。内部の壁画は中村岳陵画伯の筆になり、5題12面からなる壁画でお釈迦さまの一代を描いた壮麗な作品。本尊は救世(くぜ)観世音菩薩像。また五重塔は相輪が塔の高さの3分の1もあり、安定した姿である。
*4 再建復元:第2次大戦中の空襲で焼失後発掘調査によって、当初の礎石や排水遺跡から主要伽藍が南北一直線に置かれていたこと、その境域が高麗尺で方1000尺(約300m)であり、現在と相違のないことが確認された。国の史跡地に指定。
*5 六時堂:1623(元和9)年造営。816(弘仁7)年に伝教大師最澄により創建された。桁行七間、梁間五間、一重、入母屋造、本瓦葺。
*6 元三大師堂:1623(元和9)年造営。もと椎寺普門院と呼ばれる。江戸中期頃から元三大師堂となった。元三大師は平安時代の僧侶。第十八代天台座主。名を良源、諡号を慈恵大師。985(寛和元)年正月三日に遷化したので、「元三大師」とも呼ばれるようになった。桁行三間、梁間三間、一重、寄棟造、本瓦葺。
*7 扇面法華経冊子:扇型の料紙に人物や花鳥を極彩色で下絵し、法華経を写経している。絵は大和絵の技法を用い藤原時代の優麗さをたたえながら、画題は『万葉集』や『古今和歌集』などに依拠する場面、井戸端で洗濯する女たちや市場の風景という多彩さである。当時の風俗を知る上で貴重で、平安時代に流行した装飾経典のうちでも傑作と評価されている。
*8 懸守:紐をつけて首からかける御守りのことで、女性や子供が旅の道中に携帯した。聖徳太子が所持していたと伝わるが、平安文化特有の繊細で華麗な文様が施されている。
*9 七星剣:丙子椒林剣(へいししょうりんけん)とともに聖徳太子の佩刀(はいとう)といわれ、飛鳥時代の直刀である。七星などを金象嵌しているが、この文様の類例は正倉院御物の杖刀などにもみられる。
関連リンク | 四天王寺(WEBサイト) |
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参考文献 |
四天王寺(WEBサイト) 「文化遺産データベース 六時堂・元三大師堂・四天王寺旧境内等」文化庁(WEBサイト) 四天王寺パンフレット 「国史大系 第1巻 日本書紀」明治30年 194/300 国立国会図書館デジタルコレクション |
2025年03月現在
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