鹿島槍ヶ岳かしまやりがたけ

長野県大町市と富山県立山町・黒部市の県境にあり、標高2,889m、後立山連峰*の中央に位置している。北峰と南峰のピークが吊尾根で結ばれた双耳峰の優美な山容で、後立山連峰の盟主ともいわれている。かつてはこの山周辺一帯の山域を後立山と呼んだというが、山麓の鹿島集落から取って鹿島槍ヶ岳の名になったといわれる。
 鹿島槍ヶ岳への登山は縦走コースの他、大谷原登山口の長野側からが一般的。北へ伸びる稜線は岩場が多く八峰キレット*が切れ込み、縦走路の難所となっている。
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みどころ

南北二つの尖った峰とそれを結ぶ吊尾根の美しさとの対比が見事であり、この特徴で遠方の山々や大町市側からもはっきり認識できる山である。鹿島槍ヶ岳の北側斜面下にはカクネ里とよばれる氷河があり、雪氷が大量に残っていて美しさを引き出している。
 黒部峡谷をはさんで立山連峰が目の前に迫り、立山、剱岳などの眺望がすばらしい。 
 鹿島槍ヶ岳を眺めるのであれば、信州側からの姿がすっきり優美で美しく、写真撮影のスポットとしては爺ケ岳や五龍岳の遠見尾根、また大町市の美麻地区や平野部からもお勧めである。少し離れるが、長野市内の犀川の古市橋の上からは、川の上流の中央に突然見え、ここもお勧めできる。(林 清)
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補足情報

*後立山連峰:北アルプスの主要な連峰のひとつで、富山と長野の県境に連なる連峰。北は白馬岳から、南は針ノ木峠付近まで。
*キレット:山稜が深く切れ込んだところ。岩稜地帯が多く滑落しないように注意が必要。
関連リンク 信濃大町なび(一般社団法人大町市観光協会)(WEBサイト)
参考文献 信濃大町なび(一般社団法人大町市観光協会)(WEBサイト)
信州山岳ガイド(信濃毎日新聞社)(WEBサイト)
「甲信越百名山」大和渓谷社
「信州ふるさと120山」信濃毎日新聞社

2022年09月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。

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