大正池たいしょういけ

上高地にあり、大正池の呼び名が示すように1915(大正4)年、焼岳の大噴火による流出物が梓川をせき止めて生まれた池で、枯木の 木立で有名。なお1979(昭和54)年8月、台風のもたらした集中豪雨で焼岳から大量の土や石が押し出され、その結果、大正池の姿は一変、一部を残して河原となってしまった。その後の浚渫作業で池の状態は保たれているものの、面積は当初の半分以下になってしまっている。また林立していた枯木も減って、趣を変えてきている。
 現在は下流の霞沢発電所の調整池として管理されている。
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みどころ

釜トンネル*を抜け上高地に入る時に最初に目に入る穂高連峰と大正池の景観は幻想的で、強烈なインパクトを与える。
 秀麗な穂高連峰や焼岳を背景に、清洌な池中に枯木が林立する光景は、まさに神秘的な美しさ。日本を代表する観光地、観光客のあこがれの的として、訪れる人々に深い感銘を与えてきた。
 特に雨上がりの朝などは靄(もや)が立ちのぼり、水面に浮き上がる立ち枯れの木々と相まって、白くかすんだ青の世界が何とも幻想的である。(林 清)
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補足情報

*釜トンネル:梓川沿いの急峻な岩崖にすべて手彫りで掘削された全長320m、1927(昭和2)年に車道として完成した隧道。その後改良を重ね2005(平成17)年に新たな2車線の車道として開通。上高地の自然保護のためマイカーの乗り入れは禁止されている。
関連リンク 上高地(上高地観光旅館組合)(WEBサイト)
参考文献 上高地(上高地観光旅館組合)(WEBサイト)
「信州松本―上高地」パンフレット松本市山岳観光課

2022年09月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。

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