彌彦神社やひこじんじゃ

弥彦山の東麓に鎮座している越後一ノ宮である。神武天皇の命を受けて野積浜に上陸し、人々に製塩や漁労・農業技術を教えたと言われる、「産業の神様」である天照大神の曽孫天香山命が祭神である。
 弥彦山頂には、天香山命と妃神熟穂屋姫命(ひめがみうましほやひめのみこと)を祀った御神廟(奥宮)がある。彌彦神社は古くから「おやひこさま」とよばれ、親しまれてきた。「万葉集」にも2首*が収載されている。「延喜式」神名帳には越後国の名神大社と記されており、江戸時代には幕府から500石の朱印地(神領)が与えられた。天香山命は神武天皇の東征をお助けした大功のあった神として、武将の崇拝も集めた。
 現在の社殿は、1912(明治45・大正元)年、門前町から出た火災によって焼失し、1916(大正5)年に場所をかえて再建された。境内は杉木立に囲まれ、社殿や舞殿、絵馬殿、参集殿、随神門、廻廊、斎館、鼓楼のほか、歴代天皇陛下肖像画奉掲室も併設する宝物殿などがある。
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みどころ

ふつう神社での参拝は「2礼2拍手1礼」だが、彌彦神社では「2礼4拍手1礼」という作法が伝わっている。さらに、12月31日から1月1日と年をまたいで参詣する「二年参り」の人が多いのもこの神社の特色である。
 弥彦山へはロープウエーを使用すると山麓駅からわずか5分で山頂駅に達する。車の人は弥彦山スカイラインを利用できる。山頂からは、越後平野、信濃川、佐渡島を眺望できる。(溝尾 良隆)
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補足情報

*万葉集に収載されている2首:「伊夜比古 おのれ神さび 青雲の たなびく日すら 小雨そぼ降る」、「伊夜比古 神の麓に 今日らもか 鹿の伏すらむ 皮衣きて 角つきながら」。
*大鳥居:「彌彦神社」の大きな社号扁額がかかる高さ30mの鳥居。1982(昭和57)年秋に上越新幹線の開業を記念して建てられた。
関連リンク 彌彦神社(WEBサイト)
参考文献 彌彦神社(WEBサイト)
にいがた観光ナビ(公益社団法人新潟県観光協会)(WEBサイト)

2022年06月現在

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