榛名湖はるなこ

榛名火山のカルデラに生じた火口原湖である。大きさは東西1km、南北1.3kmで、勾玉形をしている。伊香保の沼ともいわれ、湖面に榛名富士を映して静まる美しさは歌(湖畔の宿*)にも歌われてきた。湖の周りはいくつかのピークを持つ榛名山に囲まれており変化に富む。湖岸には一周道路がつけられ、湖畔には桜・ツツジ・キスゲなどが春から夏にかけて咲く。紅葉は10月中旬。冬はワカサギの穴釣りを楽しむこともできる。
 冬のイルミネーションフェスタや初夏から秋にかけての自転車のヒルクライム、トライアスロン、マラソンなど湖や榛名山の風景を楽しみながらのイベントが数多く開催されている。
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みどころ

榛名山の様々なピークの姿が湖を囲み、変化に富む美しい姿を見せる。特に、きれいなピラミッド型の榛名富士を借景にした湖は絵になる風景である。
 伊香保温泉から榛名湖に登る県道33号線はヘアピンカーブの連続する道路であるが、ヤセオネ峠を越えると約2kmにも及ぶ直線道路が続き、榛名湖畔に至る。山の上にこれだけの平坦地があり、直線道路が続くことに驚かされる。この直線道路は美しい景観が楽しめるほか、自動車で走行すると道路の舗装面の凹凸とタイヤの摩擦音で音楽が流れるメロディラインとなっており「静かな湖畔」が聞こえてくる。
 現在は、雑然とした観光施設や建物が多く、「湖畔の宿」時代の1軒屋の面影はなく、残念である。(林 清)
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補足情報

*湖畔の宿:高峰三枝子のヒット曲「湖畔の宿」(1940(昭和15)年)。「山の寂しい湖の……書いてまた消す湖畔の便り」と歌われている湖が、どこなのかは長い間謎であった。1988(昭和63)年になって作詞者の佐藤惣之助が、イメージしたのは榛名湖であると明らかにした。1940(昭和15)年当時、榛名湖には1軒の宿だけだったという。

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