華厳ノ滝けごんのたき

高さ97m。中禅寺湖から流れ出る大尻川が大岩壁から一気に落下し、「日本三名瀑」の一つに数えられる豪壮な瀑布を形成している。
 華厳ノ滝は日光山開山の祖 勝道上人の発見と伝えられており、鏡のような中禅寺湖を仏の大円鏡智にたとえ、仏の教えが滝のように響きわたるように、経典の名から名付けられたという。下流の阿含滝・般若滝・方等滝も経典にちなむ名である。
 岩壁は石英斑岩の上に男体山から噴出した安山岩や角礫岩が層状に重なっているため、中間部の両岩のつなぎ目から湧き出る中禅寺湖からの伏流水が、玉すだれのような細い瀑布となって落ち、十二滝と呼ばれる景観を添えている。4月から11月ごろまではこの岩壁にイワツバメが巣を作り、岩の間を飛び交う。
 大尻川に水位調整の中禅寺ダムがあり、水量が調節されているため、いつでも見事な滝水を見ることができ、冬期は岩壁にシャンデリア状に凍ることもある。
 滝壷の深さは約5m、滝は次第に後退しているといわれ、下流にいくつかの滝壷跡が残り、落ち口は約2000年後に中禅寺湖へ達すると言われている。
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みどころ

中禅寺湖の水が高さ97mの岸壁を一気に落下するさまは、壮大で見事である。水量が調節されているため、いつでも豪快な滝水を見ることができる。滝を眺めるには高所から見下ろす観瀑台もあるが、エレベーターで滝壷前へ下り、正面から滝を間近に見ると、より迫力ある姿を感じることができる。(溝尾 良隆)

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