桧木内川堤のソメイヨシノひのきないがわつつみのそめいよしの

JR秋田新幹線・田沢湖線角館駅から北西約2km、町の中心を流れる桧木内川左岸堤防上の道路の両側にソメイヨシノ約400本が2㎞に渡って植えられている。開花期は毎年4月中旬~5月上旬。1933(昭和8)年末に桧木内川の堤防が竣工し、同時期に皇太子(平成の天皇)が誕生したこともあり、1934(昭和9)年春にそれらを記念して植樹*1されたものである。
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みどころ

官民挙げて、サクラ並木の維持管理に努めていることもあり、樹齢80年を超えた古木となっても樹勢はきわめて旺盛で枝張りも広く、堤の上の小道は、花期にはソメイヨシノ特有のピンクのトンネルとなり壮観。散り際には小道は落下した花びらで覆われ、ピンクの絨緞の上を歩くような光景となり美しい。武家屋敷側のシダレザクラと合わせて見学できるのも嬉しい。
 なお、駐車場は堤と武家屋敷地区の間にあるが、開花期は渋滞、混雑が激しい。
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補足情報

*1 記念して植樹:昭和初期の経済不況の中での東北地方の凶作に対する救済事業として桧木内川左岸堤防築堤及び護岸工事が行われ、1933(昭和8)年末に約2kmにわたる堤防が竣工した。旧角館町では藩政時代からシダレザクラが町内に植栽されてきたこともあり、町民のサクラへの思いは強く、大正期から町内に1,000本以上のサクラが植樹されたが、鳥獣被害などで枯れてしまった。このため、この堤防竣工に合わせ、堤防にもサクラを植えようという町民の気運が高まり、折しも皇太子誕生という慶祝にも恵まれ、町民総出でソメイヨシノの苗木を植樹したという。

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