大豊町は、四国山地の中央部、県東北端に位置し、東部、南部は香美市、西部は本山町、北部は愛媛県四国中央市及び徳島県三好市に接している。
 吉野川中流域で峡谷も多い。石鎚・剣山両山系が交錯し、隆起した峻嶺に囲まれ、標高200~1,400mの急傾斜で複雑な山岳地帯で平坦地はほとんどない。耕地は総面積の1.1%程度で棚田、傾斜畑で形成されている。
 吉野川沿いに国道32号やJR土讃線が通じている。国道439号が32号から分岐、高知自動車道が西部を縦断し、大豊ICが設置されている。
 古くは豊永郷と呼ばれ、四国のほぼ中央部に位置していることから、昔から南北を結ぶ交通の要として発展。藩政時代には本町域の豊永郷全域と本山郷、甫岐山郷、上倉郷のそれぞれ一部で構成されており、瀬戸内側へ通じる古代官道や山内藩の参勤交代道(北山越)も村内を通過、土佐3番所に挙げられる山越えの立川番所も置かれるなど、国防の要の地でもあった。奈良時代には僧行基によって大田山豊楽寺、粟生山定福寺等が建立された。
 産業では、林産物が主で、用材のほか、クリ、近世以前からのコウゾや茶などが生産されている。農業は高冷地野菜栽培など。
 観光では、梶ヶ森には龍王の滝、キャンプ場や天文台があり、県立自然公園になっている。平安時代の豊楽寺本堂(薬師堂)は国宝に指定され、堂内の薬師如来坐像など国指定重要文化財も多い。定福寺境内には民俗資料館がある。旧立川番所書院は国指定重要文化財、八坂神社境内の大スギは特別天然記念物。

観光資源一覧

杉の大スギ(八坂神社境内)の写真

杉の大スギ(八坂神社境内) (高知県 大豊町 )

日本における代表的な杉の古木のひとつ。八坂(やさか)神社の境内に立つ。根本が合着した2本が寄り添っているような形状のいわゆる「夫婦杉」で南大杉の樹高が約60m根回り約20m、北が樹高57m根回り約16.5m。  1894(明治27)年の国道32号開通以降、馬車や人力車交通時代の宿駅であった杉のまちの大杉は知名度を増した。大正期に内務省天然...

豊楽寺の写真

豊楽寺 (高知県 大豊町 )

JR土讃線 大田口駅から徒歩30分。大田山大願院豊楽寺。724(養老8・神亀元)年、行基による創建が伝えられている真言宗寺院。  その薬師如来は国内有数に名高く、四国らしい谷をはさむ急峻な山の中腹にありながら信者参拝を迎えてきた。「柴折薬師(しばおりやくし)」ともよばれる。荒天による大破を被っては長宗我部元親(ちようそかべも...