五泉市は、新潟県のほぼ中央に位置し、阿賀野川の谷口左岸にある都市で、新潟市、阿賀野市、三条市、加茂市、阿賀町、田上町に接する。
 阿賀野川沿いにJR磐越西線が通じる。また磐越自動車道、国道290号が通る。
 近世は「仙台平」の技法を取り入れて改良された「五泉平」の袴地が名産で、明治時代には輸出羽二重、平絽、糸織などの絹織物を特産した機業地であった。第二次世界大戦後はニット製品業に転換し、全国にメリヤス、ニット製品を出荷する編物基地として知られている。古くからの五泉羽二重、絽などの絹織物生産も行われている。
 農業では、米、さといも、いちご、メロン、ねぎ、ぼたん、チューリップ、 栗、れんこん、銀杏、 キウイフルーツ、ぶどうを産する。また、阿賀野川の支流早出川の扇状地面の伏流地下水源に恵まれ、養鯉業が盛んである。
 観光面では、阿賀野川ラインの入口にあたり、咲花(さきはな)温泉、延命地蔵尊、小山田ヒガンザクラ樹林(国天然記念物)、お葉付イチョウなどの名所も多く、清酒などの名物がある。

観光資源一覧

村松公園のサクラの写真

写真提供:一般社団法人五泉市観光協会

村松公園のサクラ (新潟県 五泉市 )

村松公園は、1906(明治39)年10月に日露戦役記念として造られた。春に咲く約3,000本の桜は「日本さくらの名所100選」にも選ばれ、満開になる4月中旬には花見客で賑わう。9割近くがソメイヨシノで、ピンクの濃いヨウコウザクラや希少品種の穂咲彼岸八重桜などがある。

小山田ヒガンザクラ樹林の写真

写真提供:五泉市教育委員会

小山田ヒガンザクラ樹林 (新潟県 五泉市 )

江戸時代から知られている桜の名所で、その美しさに良寛の弟橘由之をはじめ、多くの文人が花見に来訪した記録が残る。サクラ並木は、寛永年間(1850年)ころ、旧川東村(現、五泉市)の斎藤源左衛門が衰えの見えた桜を補植、整備したと伝えられ、当時、サクラ並木は1,000本を数えたと言われる。このころ訪れた頼三樹三郎*は「花の吉野にまさ...